酔っちゃった / 黒バージョン （リク） ページ6
・
「Aさん、ちょっと付き合ってよ」
それはドラマの撮影を終えて日付が回るギリギリに帰って来た目黒君の第一声だった。
手にはスーパーの袋、それを持ち上げるとカチャカチャと缶同士がぶつかった音がして、ああ晩酌かって。
「これ今日の夕飯の残りだけど」
「肉じゃが、最高じゃん」
「もしかしたら目黒君も食べるかなと思って」
「ありがとう」
以前も夜遅くまでお仕事して帰ってきた目黒君は、コンビニで買ったちょっとしたものを食べていたから。
そりゃあ夜遅くまで働いてたらお腹も減る。
「乾杯」
「乾杯」
カツンと缶チューハイと、ハイボールを打ち合って一口こくんと飲み込んだ。
「Aさんって呑む方？」
「ん、そうだね。外で働いてた時は付き合い程度には呑んでたけど」
ここに来てからはほとんど呑んでないなあ。
「そ、じゃあ今日は付き合ってね」
目黒君はお酒に強い方って聞いていたけど、果たして本当かしら。
三本目のハイボールを呑んでいた目黒君は、ソファーにグタッと持たれて「Aさん！」と、自分の隣をトントンと叩いてる。
「どうしたの？」
「Aさ〜んっ、ここ来て！」
「え？ 笑」
来いと言われたけど既に目黒君に手首を掴まれて引き寄せられている。
そして隣に座れと言ったくせに、長い足の間で抱きつかれていた。
「め、目黒君っ？」
「それやなんだよねぇ…」
腰に回った逞しい腕と、綺麗なお顔でグリグリされてちょっとどころか、ものすごくドキドキしてる。
ふぅと一息ついて、私を見上げた瞳はいつもより若干幼さが見えた。
「目黒君じゃなくて、蓮がいいなあって…らめっすか？」
「うっ！」
これはものすごくダメージを受ける。
らめ？って呂律が回ってなくて、こんな目黒君初めて見たよ。
思わず頭を撫でてたら、クスクスと目を細めて笑ってるし。
なんか年相応な感じがした。
「め、蓮君、酔っちゃったのかな？」
「んー…ちょっと」
「ふふ、そっか。だったらもう寝た方がいいよ」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4104人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきんこ(プロフ) - まり姉さん» 教えてくださりありがとうございます(^^) (2021年1月19日 19時) (
レス) id: 4f915fb25c (このIDを非表示/違反報告)
まり姉(プロフ) - ちょっとした変化の1ページ目の最後のとこが名前変換されてないですよ？？ (2021年1月19日 18時) (レス) id: 632dd79117 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ふさん» ふ様。お返事が遅くなりすみません！そして、あけましておめでとうございます！どうぞ今年も宜しくお願いします(^^)のんびりスタートとなってますか、また楽しんでもらえるように頑張ります！ (2021年1月8日 23時) (レス) id: 98ff3b079e (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 明けましておめでとうございます♪今年も素敵なストーリー楽しみにしています(☆▽☆) (2021年1月6日 16時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - SACHIさん» ヤバいですか（笑）やばくなるように書きましたので、その反応が有難いです(o^^o) (2020年12月31日 9時) (レス) id: 98ff3b079e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2020年10月30日 10時
