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結局懐中電灯は見つけられず、電気がつくまで大人しくリビングに居ようってことにまとまった。
だから物置を出ようとしたんだけど、あれれ?開かない。
「え、なんで?」
「どうしたの?」
「ドア開かない…」
「え、マジで?」
翔太くんと交代してみたけど、やっぱり開かない。
なんでだろう?
ここ鍵とかないんだけど。
「はあ、しゃーない。そのうち誰か帰ってくるだろ」
その場にペタリと座り込んだ翔太くんは、私にも座れと服の裾を引っ張ってきたから、私もその場に座り込んだ。
「翔太くん、落ち着いてるね」
こういった時落ち着いて行動するのが一番だと思うけど、私一人だったら閉じ込められた事に動揺していたかもしれない。
一人じゃないことがこんなに心強いなんて。
「いんや、実はすっごい心臓バクバクしてた」
「そうなの?」
「雷とか得意じゃねえし。すっげぇ音だったじゃん? もうパニックよ」
「ふふ、そっかぁ」
「笑うなよ」
顔は見えないけど、多分今拗ねた表情してそうだなって。
ゴロゴロ…ゴロゴロ…
「ひっ!」
ガシッと掴まれる手。
いや普通逆でしょ?(笑)
「……ごめん」
「いいよ。私もそんなに得意じゃないから気持ちわかるよ」
不安な時に誰かに側に居てもらったら気持ち的に楽になる。
またゴロゴロと音がして、暫くしてドドーン!と大きな音が鳴った瞬間、二人して叫んだ。
「きゃあああっ」
「うわぁぁぁっ」
ドカンッと、それとほぼ同時にドアが押し倒されてピカっと照らされて眩しさに腕で隠す。
「みんなー二人居たよ!」
「あ、Aさん翔太大丈夫!?」
この声は目黒くん?
それに涼太くんかな。
ギュッと背中に感じるあったかい手の温もり、顔を上げるとすぐ側に翔太くんの顎が見えて抱き合ってしまったことに気付いた。
「ああっ、ごめんなさいっ」
「こっちこそ、ごめんなさい」
「謝りあってないで出ておいでよ」
その前に照らすなら足下だけにしてほしい。
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「物置のドア、内側にこれが挟まってたんだよ」
そういってフィギュアの箱を見せる目黒くん。
停電の中帰って来てみれば私達の姿がなくて捜していたら、雷と共に悲鳴が聞こえたもんだから咄嗟にドアを蹴破ったんだとか。
「ごめんなさい」
「あーうん、いいよいいよ!」
直せばすむことだからと頭を撫でていれば、その時やっとパッと部屋の明かりが戻った。
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ゆきんこ(プロフ) - まり姉さん» 教えてくださりありがとうございます(^^) (2021年1月19日 19時) (レス) id: 4f915fb25c (このIDを非表示/違反報告)
まり姉(プロフ) - ちょっとした変化の1ページ目の最後のとこが名前変換されてないですよ?? (2021年1月19日 18時) (レス) id: 632dd79117 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ふさん» ふ様。お返事が遅くなりすみません!そして、あけましておめでとうございます!どうぞ今年も宜しくお願いします(^^)のんびりスタートとなってますか、また楽しんでもらえるように頑張ります! (2021年1月8日 23時) (レス) id: 98ff3b079e (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 明けましておめでとうございます♪今年も素敵なストーリー楽しみにしています(☆▽☆) (2021年1月6日 16時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - SACHIさん» ヤバいですか(笑)やばくなるように書きましたので、その反応が有難いです(o^^o) (2020年12月31日 9時) (レス) id: 98ff3b079e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年10月30日 10時