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ぬくもり ページ1






康二君の淹れてくれたお茶をゆっくりと飲んでいると、次第に気持ちも落ち着いてきた。

皆急かすことなく待っていてくれて、待ってくれていると分かるけど焦らせるような空気感は何処にもなくて。


年下の彼等なのに、私以上に早くから大人の世界に揉まれてきているからこそ落ち着きがあるのかなって。


私よりも全然大人だ。








そして少しずつ、彼との話をした。


出会いも別れも、結婚式会場に彼は現れることなく去って、残ったのは虚しく光る指輪と哀れみの視線を浴びる私だけだったこと。


何もかも忘れたくて、この辛い現実から逃げたくてこのシェアハウスを経営しようとしたこと。


不思議だった。

あれだけ忘れようとしていた事なのに、彼らに話すとすーっと心の引き出しにしまわれていく感じがした。

嫌なことだけど、これも一つ私を成長させてくれた思い出だと。









渡「…チッ。俺も殴っておけば良かった」

向「いやあかんて。気持ちは分かるけどなー」




私としてはスッキリした気分でも、こんな話を聞かされた彼らはどうなんだろう?

チラチラと彼らの様子を見ると、皆眉間に皺を寄せて難しい顔をしている。




阿「Aさん、辛かったね」

宮「話してくれてありがとう」

佐「でもさ、今更そいつなに? 裏切っといて"やっぱり俺にはお前が必要"とか言っちゃうやつ。まじないわー」

目「ほんとっすね。別れて…結婚しなくて正解だわ」





言葉の端々に私を守る言葉がある。

きっとね、私にだって何か落ち度はあったんだよ。

そりゃあ結婚式当日に駆け落ちして消える新郎は最低最悪だけど、それまでに私がそうさせてしまった理由が絶対にないとは言いきれない。

けれど彼らは私を下げることなく、味方で居てくれるんだなって。





深「そういうことねー。うん、わかった」


腕を組んで頷く辰哉君。



深「きっとAさんは、俺たちにこの癒しを与えてくれるために辛い経験しちゃったわけだわ」

岩「つまり?」

深「今度はそんなもん笑い話になるくらい、俺たちが毎日楽しませてあげるってこと!」

岩「あーあ。笑」



阿吽呼吸というか、そこまで言えば伝わるでしょと皆で頷き合う彼ら。




岩「つまりこれからも変わらず宜しくってことだね」

「……いいの?」


何度も警察のお世話になっちゃうようなオバサンでも?




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作品ジャンル:恋愛
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ゆきんこ(プロフ) - まり姉さん» 教えてくださりありがとうございます(^^) (2021年1月19日 19時) (レス) id: 4f915fb25c (このIDを非表示/違反報告)
まり姉(プロフ) - ちょっとした変化の1ページ目の最後のとこが名前変換されてないですよ?? (2021年1月19日 18時) (レス) id: 632dd79117 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ふさん» ふ様。お返事が遅くなりすみません!そして、あけましておめでとうございます!どうぞ今年も宜しくお願いします(^^)のんびりスタートとなってますか、また楽しんでもらえるように頑張ります! (2021年1月8日 23時) (レス) id: 98ff3b079e (このIDを非表示/違反報告)
- 明けましておめでとうございます♪今年も素敵なストーリー楽しみにしています(☆▽☆) (2021年1月6日 16時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - SACHIさん» ヤバいですか(笑)やばくなるように書きましたので、その反応が有難いです(o^^o) (2020年12月31日 9時) (レス) id: 98ff3b079e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年10月30日 10時

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