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──…あれから、俺と鈴川はよく話すようになり、席替えして席が離れてからもしょっちゅうツルむようになっていた
『あ"ぁ"ぁ"あ"〜〜〜…』
そんな鈴川は今、自分の席で突っ伏して、うめき声を上げている
『うちの学校、課題多すぎない〜?』
「そうか?まぁ、進学校だしこんなもんだろ」
『瀬見ぃ〜、手伝ってぇ〜…』
「自分でやれよ、お前頭良いだろ」
『歴史は苦手じゃぁ〜…』
再び机にうつ伏せになってうなだれる鈴川
こいつ、意外と頭良いくせにやる気はねぇんだよな…
白鳥沢から推薦きてたのに、わざわざ一般で入ったって聞いた時は驚いた
…まぁ、バレーやるつもりなかったなら当然か
未だに、こいつとバレーの話はした事がない
していいものなのか、悩むから
(…ホント、意気地ねぇよなぁ…)
思わず小さく溜息を吐いた
『頼むよぉ…英太さんや』
ドキッ
冗談めかしてそう言われ、今まで一度もこいつに名前で呼びれた事のなかった俺は、少し動揺してしまった
こいつ…、人の気も知らねぇで……ッ
「ハァ……」
今度は深い溜息を吐いた
鈴川は顔を上げて不思議そうに首を傾げる
『瀬見?どうかし…「英太」』
「英太でいい。……ちょっとだけだからな」
俺がそう言うと、こいつはパァッと明るい表情になった
『サンキュー!──よろしく頼むよ、英太』
ニッと笑ってそう言ったこいつを見て、思わず緩む口元を右手で隠す
「早くしろよ、鈴川」
『そこはAじゃないんかいッ!?』
ビシィッ!と鋭く突っ込む鈴川
何かちょっと気恥ずかしくて、視線を横に逸らした
「あーはいはい。……A」
『!…へへっ、おう!』
こいつが、人懐っこい笑顔を見せて、俺はまた、胸が高鳴った
…今はまだ、このままで良いのかもしれない
こいつが楽しそうならそれで
だけど
あわよくば
(…こいつがまたバレーをやって、こんな風に笑ってくれたら…、…何てな)
そんな事を思いながら、俺は歴史の教科書を開いた
──鈴川Aがもう一度バレーを楽しめるようになるまで、あと少しだという事を、この時の俺はまだ知らない
瀬見英太☆高二の話【END.】
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーキャラクター
赤葦京治
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クッキー(プロフ) - 葉月さん» コメントありがとうございます!亀更新に加えて本編との関係で番外編は更新停止する事もあるかもです…。。。ですが頑張りますのでどうか見捨てないでくださいッ!!_|\○_← (2022年2月24日 11時) (レス) id: 74b05c7d83 (このIDを非表示/違反報告)
クッキー(プロフ) - アオハルれもんさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!!亀更新ですがこれからも頑張ります!! (2022年2月24日 11時) (レス) @page9 id: 74b05c7d83 (このIDを非表示/違反報告)
葉月 - めちゃ面白いです!早く続きみたいです (2022年2月20日 2時) (レス) @page8 id: f4b5708fbd (このIDを非表示/違反報告)
アオハルれもん(プロフ) - 更新頑張ってください!!この作品を愛してますし、推してますね。ハイ。更新頑張ってください!! (2021年6月26日 15時) (レス) id: db0420b5c6 (このIDを非表示/違反報告)
アオハルれもん(プロフ) - こんにちは!!はじめまして!!アオハルれもんと申しますっ。この作品のシリーズ?は大好きです!!愛で学校を潰せますねっ!!あっと、とにかく私はこのシリーズが大好きです。更新頑張ってください!! (2021年6月21日 17時) (レス) id: db0420b5c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜 | 作成日時:2020年8月19日 20時