100話 ページ50
──…『いやぁ〜、みんな大分仕上がってきたね!』
部活の自主練中、みんなの動きを見て、隣でスポドリを飲んでいる英太に向かってそう言った
「ん?あぁ、そうだな」
全国常連校とはいえ、やっぱ気合い入るよなぁ〜
「…Aは、」
『ん?』
「……俺のプレースタイル、やっぱ嫌いか?」
視線を下へ落として、言い辛そうにそう問いかけてきた英太
……へ……?
『どうした、急に』
思わず目を丸くする。英太は相変わらず目を合わせてくれない
「…俺は、白布みたいに、エースに尽くすって感じのセッターじゃねぇからさ」
少し眉を顰めて、そう言った
あぁ、成程
私の過去の事もあるし、自分のプレースタイル気にしてるのかな
…まぁ、だとしてもだよ
『私は英太が、中学の時のセッターと似てるとか思った事ないよ』
私がそう言うと、英太はやっとの事でこちらを向いてくれた
『別に良いんでないの?自分の力を誇示したいって思うのは、英太らしいし、悪い事じゃないでしょ。私はカッコ良いと思うけど?』
英太が目を見開いた
…かと思えば、勢い良くそっぽを向く
「あ、あ〜…、そう、か。…悪い、A。ちょっとタオル持ってきて」
『え?う、うん…?』
一体何なんだ…?私は不思議に思いながらも、タオルを取りに走り出した
…すると、
「っ…!?Aさん!!危ないッ…!!」
五色君の叫び声が聞こえ振り向くと、バレーボールが私に向かって突進してきていた
あれ…?流れ玉か…?
私がかまえようとすると
「バァンッ!!)」
『 !? 』
目の前に、白布君が現れて、飛んできたボールを思いっきり床に叩きつけた
……っえ……、白布君のアタックとか初めて見たんだけど…!?
というか…、後ろ姿でも分かるんだが…
…白布君、怒ってません…?(汗
「……五色ぃ……」
「ヒィッ!」
あ、まずい、白布君の背後から炎が見える
後々聞いた話、この流れ玉は五色君がサーブをミスって特大ホームランしたものらしい
「一々牛島さんに張り合ってるからそうなるんだよ、Aさんに当たったらどうすんだ!?」
「すっ…!すみませぇええんッ!!」
この後五色君は白布君に散々扱かれ、私を含めた部員達は苦笑しながら宥めていた
…こんな日々が続き、いよいよ
──夏のIH、全国の戦いが、始まろうとしていた
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ラッキーキャラ
白布賢二郎
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作者名:桜 | 作成日時:2019年10月10日 19時