70話 ページ20
耐え切れず、つい声をかけた
すると、ゆっくりとこちらに振り返るAさん
『あ……、ごめん白布君!もう時間だった!?』
「……いえ。来るのが遅かったので、様子を見に…」
『そうなんだ。ごめんね!?中学の同級生にあったもんで……』
Aさんがそう言い、俺はつい及川達を睨むように見た
……ホントに何なんだこれ
そんな俺の様子を見てか、Aさんは慌てたように声を発する
『じゃ、じゃあもう行こうか…!徹、はじめ、また後で…』
「ちょっと待って」
すると、及川がその声を遮った
「……セッター君」
何かと思えば、俺に向かってそう声をかけてきた
一体何だ?
断りはせず、俺は及川に近づいた
「……君、Aのこと好きでしょ」
「 !? 」
……また、
また、その言葉
「…いきなり何ですか。意味が分かりません」
「そのままの意味だよ。で、どうなの?」
どうも何も別に、そういうんじゃ……。
「……関係ないでしょう。それに、違いますから」
「へぇ…?あくまで意地を通すんだ。けど…」
「…いつまでもそんなこと言ってたら、俺に取られちゃうかもね…?」
及川が鋭い目で俺を見る
俺は、何も言えなかった
「──じゃあ、A。また後でね♪」
「またな」
途端におちゃらけた雰囲気になって、Aさんに手を振る及川
ホント、油断できねぇ…。
…にしても、自分でも薄々感じてはいるが、最近の俺は何かおかしいと思う
今まではこんなことなかったのに…。
『……徹に何言われたの?』
すると、控えめにそう聞いてくるAさん
……徹……、仲良さ気だったもんな
呼び捨てでもおかしくはない。なのに、
(……何で、こんなにイラつくんだよ)
「……別に、大した話じゃないです」
大した話だとは思うが、この人には、こう言うしかない
……取り敢えず、
「……徹底的に叩き潰す(ボソッ」
声に出すつもりはなかったが、思わずそう呟いていた
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ラッキーキャラ
白布賢二郎
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作者名:桜 | 作成日時:2019年10月10日 19時