ワスレナグサ【緑】 (ページ9)

今日:5 hit、昨日:3 hit、合計:7,549 hit

9 ページ9

.

目を覚ますと独特な匂いがした

周りを見渡せば白い天井、ピンクのカーテン、そして心配そうにこちらを見る家族と大毅、涙目で私の手を握るともくんがいた

『ん……… 』

神「 A…！！」

『 ……ともくん？』

神「高熱出たから看病してたら急に胸抑えて倒れたんやで？」

『ああ、そっか…… 』

そろそろともくんと大毅に伝えなければいけないときが来てしまった

重「なあ、お前俺らになんか隠してるやろ」

小「姉ちゃん……まだ言うてなかったん？」

『 ………まあ、』

なんでそんな大切なこと言うてへんねんってため息をつく弟

二人には変な心配かけたくなかった

小さい頃から元気だけが取り柄だったのだから病気なんてすぐ治ると思っていた

ガラガラ

病室の扉が開いて恐らくこの病院のエリート医師である人が入ってきた

医「御家族の方ですか？」

神「あ、いえ俺は…… 」

家族だけにして欲しいと言われ、病室から出されてしまったともくんと大毅

なんだか嫌な予感がする

医「 Aさんの病状は進行が早く悪腫瘍が大きくなってしまっています。このまま手術をすると失敗性が高くとても危険です。」

『 ………っそれって、』

医「恐らく……もって半年でしょう」

母「っ……そ、んな… 」

小「姉ちゃん……あと半年しか生きられへんの、？嘘やろ？なあ、嫌やってそんなん！！」

分かってた、いつかは自分が死ぬってこと

でもあと半年なんて短すぎる

まだやりたいこといっぱい残ってるしもっとともくんと一緒にいたい……

父「 ……っざけんな、この子はまだ18なんです！まだまだ経験せなあかんことがいっぱいある！あと半年なんてそんなんっ、」

『 ………お父さん、』

隣ではお母さんとお父さんと弟が泣いてる

私が泣かせてる

余命宣告されるなんて………そんなの思ってもなかったよ

もっと生きたかった

このままともくんと付き合ってても苦しませるだけなら別れるのが正解なのかもしれない

.