藤 井 く ん の 彼 女

じ ゅ う ページ10

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藤「 ほんなら、もう勝手にしたら？ 」


『 ………っもういい！ 』









付き合ってから初めて流星と喧嘩した。


今にも雨が降り出しそうな外を飛び出した。





事の発端は数分前。









小「 A、お菓子いる〜？ 」


『 え！いる！ 』


小「 これ好きやろ？ 」


『 嬉しいのんちゃん好き！ 』









そう言ってうちがのんちゃんに抱きついたことが喧嘩の原因となってしまった。









藤「 なぁ、Aさ、すぐ抱きつくんやめや 」


『 え？なんで？メンバーやで？ 』


藤「 なんで分からんの？男見くびりすぎ 」


『 なんもないから大丈夫やって 』


藤「 じゃあ俺がA以外の女の子に同じことしたらどう思う？ 」


『 ………いやや、』


藤「 ほらな。俺はあかんのにAはいいん？ 」


『 なんでそこまで言うん、うちメンバーみんなのこと大好きなんやもん 』


藤「 はぁ……ほんなら、もう勝手にしたら？ 」


『 ………っもういい！ 』









完全にうちが悪い。


だって酒井さんと話してるだけでもめっちゃ嫌やったのに抱きついてるのなんか見たら嫌に決まってる。



素直に謝ればよかっただけの話。





でも、あんなに言うてしまっていまさら戻って流星に合わす顔がない。









『 ………はぁ、最悪 』









悩みがあるといつも来る公園。


大毅と別れた後もここでいっぱい泣いたっけ。




そんなことを考えていると、ポツポツと雨が降り始めた。




あぁ、そういえば今日淳太くんが大雨降るからはよ帰っといでやってみんなに言うてたな。




でもどうしても帰る気にはなれんくて。





次第に激しくなっていく雨に打ち付けられながら、このまま消えてしまいたいとさえ思った。









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