虹 の 白 い 天 使

虹 37 ページ37

.









藤井








あれ以来、Aとは一切話してない。





というか話せない、と言うのが正解かもしれん。







新しいヘアメイクの子、顔は可愛いけど性格悪そうやし正直絡まれるの鬱陶しい。





俺が話したいのはAやねんけど。







酒「 藤井さんって彼女おるんですか〜？ 」



藤「 おらんよ 」



酒「 へえ！じゃあ私とかどうです？！ 」



藤「 いやそういうのええから 」



酒「 そう言われると燃えてきちゃいます(笑) 」







マジでうざい。








そういえば、Aとしげがヨリ戻したかどうか知らんままやねんな。




どうなんやろうか。






まぁ、戻してるか。だってA、泣くほどしげのこと好きやったもんな。







Aのこと好きにならんくなる日なんかきっとこーへん。




出会った時からずっと好きなんやもん。






諦めるとか絶対無理、でも諦めな迷惑やよな。








酒「 藤井さん、連絡先交換しません？！ 」



藤「 遠慮しとくわ 」



酒「 お願いしますよぉ〜！お姉ちゃんも会いたがってたし！ 」



藤「 ………お姉ちゃん、？ 」



酒「 酒井優奈、聞き覚えありません？ 」



藤「 え、優奈って優奈？退院したん？ 」



酒「 覚えててくれたんですね！東京の病院に移ることになって一緒にこっち来たんです、」



藤「 そうなんや 」






俺の幼馴染みの酒井優奈。





体が弱くて入院しては退院を繰り返してた。





ある日、俺が上京するのが決まった時、下手したら死んでしまうかもしれない重い病気にかかって大きい病院に入院した。






酒「 ……でも残念ながら、先日亡くなりました、」



藤「 え、」



酒「 お葬式来てくださいませんか？お姉ちゃんも喜ぶと思うんです 」



藤「 分かった 」






悲しそうな顔で言われたら行くしかなかった。





優奈と最後に会いたかったな。









.

虹 38→←虹 36

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す