虹 の 白 い 天 使

虹 11 ページ11

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『 りゅ、せ……？ 』







藤「 無理して笑うなって、」







下唇を噛んで涙が出そうになるのを必死に我慢していたのにそんなこと言われたらそれも無駄で。



今泣いて目真っ赤っかになったら帰ったら神ちゃんに心配されちゃうなあ、とか


今日は薄めにしたメイク崩れちゃうなあ、とか



頭の隅で呑気なことを考えて流星に身を委ねる。







藤「 好きなだけ泣いてええよ。俺がそばにおったるから。」







『 りゅーせっ、』








大毅のこと好きにならんかったらよかった。



大毅のこと好きにならんかったら、こんな苦しい思いせんで済んだのに。




そう思うのにそれでも好きで。



蘇るのは恋人だった時の数々の思い出。







藤「 なあ、A？ 」







『 ん？ 』







藤「 ……俺じゃあかんかな、」







『 え？ 』







藤「 ごめん、やっぱなんでもない 」








ほんまは聞こえてた。





流星の気持ちに気付いてないわけじゃなかった。



せやけど、気付いてしまったら流星のことを傷付けてしまう。




そんなことしたくないから、しばらくは気付いてないフリをさせてほしい。









藤「 帰ろっか 」







『 そやね 』







藤「 美味しかった？ 」







『 めっちゃ美味しかった！連れてってくれてありがとう！ 』







藤「 ならよかった(笑) 」







あんな後やったから気まづくなるかと思ったけど、そんなことはなかった。







『 うげぇ、』




藤「 なに、どしたん(笑) 」







携帯の画面を流星に見せると苦笑いをされる。





それもそのはず。


おやすみモードにしてたから気付かんかったけど、画面には何件もの着信とLINE。





相手は全部のんちゃん。





またかかってきたから仕方なく電話に出てあげた。









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