帰ろう ページ19
世良先生は私に向かってそう言った。
私の隣には渡海先生がいるのに。
そんなのお構い無しに。
｢なんで、急に｣
｢ここに来たら世界が広がると思っていたんです｣
世良先生は静かに言う。
確かに言っていた。
私に向かって世界が狭いと、確かにそう言った。
｢そんなことはなかった｣
世良先生が感じた違和感は間違いではない。
私も感じている。
｢渡海先生｣
世良先生が渡海先生の名前を呼ぶ。
ん？そんな声が聞こえるような顔で渡海先生は世良先生を見上げた。
「あなたがいたらどこにいたって同じです」
世良先生もいつの間にか渡海先生の手術にしか入らないようになっていた。
偶然か、必然かはわからない。
だけど、私と世良先生が渡海先生に飼われている。
そんな噂がたつくらいに、私たち３人は一緒にいた。
「お前、弱いよな」
渡海先生が口を開く。
「弱い？」
世良先生は眉をひそめた。
「俺の手術でしかお前は動けない」
「そうなってんだよ」と渡海先生は世良先生の胸にこつん。指先を当てた。
「それはコイツだって同じ」
もう片方の手は私の腰に回る。
そしてグイッ。引き寄せられた。
「お前らは俺の元でしか動けねぇんだ」
それは渡海先生なりの気遣いなのか。
ただ、渡海先生も本当は東城大に帰りたい意思がある。
そんな風に思えた。
「帰りましょう」
先輩も、待っている。
きっと佐伯教授も、院長先生も。
皆待っている。
渡海先生は帝華大の白衣を脱ぎ捨てた。
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愛加那(プロフ) - 高階先生の一人称は「私」ではないでしょうか？あた、世良先生も一応一人称は僕ではないでしょうか？昨日のドラマでは花房さんとの会話では俺って言ってましたがね。気になってしまったものですから。生意気ですみません(T . T) (2018年6月18日 21時) (
レス) id: 7272416208 (このIDを非表示/違反報告)
Aida(プロフ) - しろさん» よかったです(笑) 実はこれにて移行です！次の章では愛をテーマにしたいと思っています(^O^) (2018年6月14日 22時) (レス) id: a8a944926c (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - と、渡海せんせー！もう一生ついていきます！！！きゅんきゅんしすぎてやばいです/// (2018年6月14日 18時) (レス) id: 1fd63b4fae (このIDを非表示/違反報告)
Aida(プロフ) - しろさん» 渡海先生からのキュンキュンワードは感動モノですよね、もう！(笑)そうです。渡海先生なりに花へ愛情表現しようとしています！そこをこれからも感じてもらえれば嬉しいです (2018年6月13日 18時) (レス) id: a8a944926c (このIDを非表示/違反報告)
しろ(プロフ) - またまたきゅんきゅんワードきたぁ///渡海先生ずるい…。もうお互い離れられないですね////あと、渡海先生が主人公ちゃんを愛してるからこその弱音？を言っちゃったところもジーンときました。 (2018年6月13日 7時) (レス) id: 1fd63b4fae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Aida | 作成日時：2018年6月6日 21時
