俎板の上の恋 feet_fkmr ページ17
fkrside
トントントン
河村が夕御飯を作る音を聞きながらパソコンで編集を進める。
河村の手元を何気なく見たところ、
俎板の上にのる緑色の "やつら" を見つけたが、気づかぬふりをしておこう。
トントントントン シャッシャッ
一通り切り終わったのだろうか。
包んだり、レンジにかけたり。
休憩がてら河村をぼーっと見つめる。
暫くして集中が戻ってきたところで仕事を再開させる。
無言の中でキーボードの音と料理をする音が混じり合う。
言葉は無くともこの空気は何処よりも心地よかった。
30分ほどしただろうか。
ようやく編集に目処が付き、ふと顔をあげるとキッチンにいる河村と目があった。
こてんと首を傾げる河村。
その様子が微笑ましくて思わず笑みをこぼした。
木製が好きだから、という理由でこの間購入した檜の俎板。
その上で動く河村の手はとても美しくて。
よりいっそう好きになった。
お料理すること食べること。
河村の料理ならいくらでも食べられる気がするな。
「できたよー、食べる?」
「食べる!ちょっとだけ待ってて!」
ソフトウェアを閉じて電源をおとし食卓へ向かう。
俎板の上の恋はもうすでに。
手にはいっぱいの feet_sigkm→←雨音のセッション feet_sigkm
214人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:藍知 & ゆーふぉ。 x他1人 | 作成日時:2020年7月2日 23時