其の玖 一般人と異能力者 ページ10
「し、知らなかった……」
「私も初めて知った〜」
ヨコハマからも代表者は出ているが、勿論二人は知らない。同じ国に住み、同じ“ヨコハマ”に住んでいても、今日を平穏に生きる“一般人”と3日に一回は荒事が舞い込む組織に属する“異能力者”を取り巻く環境には大きな差異があった。
一般人が国を挙げたイベントに熱中している間、彼等は街に降りかかる火の粉を払っている。
全てそうと云う訳では無いが、如何しても興味関心は湧きにくい。
「兎も角、若し彼等が此処に辿り着いたとしても私はしらばっくれるから」
其処ン所宜しく。
主張を変えるつもりは無いようだ。如何報告するかあたまを悩ませ乍ら敦は帰路についた。
「……」
時計の針も深夜0時に差し掛かっている。薄暗い部屋で三郎はパソコンを睨んでいた。
『武装探偵社』について調べるとどうしても『異能力』と云うワードが付いてくる。
そこで、『異能力』と探偵社以外の『異能集団』について調べを進めていた。
『異能力』については殆ど記述がなかったが、『異能力者』と『異能集団』については辛うじて噂程度の情報が出て来た。
とはいえ、人智を超えた力の噂など取るに足らないものである。『最強の異能力者』だの『伝説の異能力者』だの、小学生が考えた様なラインナップである。
『異能集団』については、『武装探偵社』『ポート・マフィア』の二箇所が噂の殆どを占めていたが、その中でもう一つ別の噂が書かれていた。
『或る古本屋の噂』
曰く、異能集団であり、街の均衡を侵すものを排除する。
なんて馬鹿馬鹿しい。三郎はパソコンを閉じた。
何故古本屋が街を護らねばならないのか。第一ヨコハマだけで一体幾つの古本屋があると思っている。
(無駄骨だったか……)
所詮は都市伝説だったかと三郎は床に入った。
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全然キャラが出せない……
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作者名:耐熱ガラス | 作成日時:2020年3月15日 17時