アイビーが運ぶ幸せは

ばれんたいんでー *. ページ14

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side 宮舘


阿｢チョコの作り方教えてください、お願いします｣


そうやって頭を下げられたのはバレンタインの1週間前

その次の日には俺の家のキッチンに
エプロンを着けた阿部が立っていた


阿｢急に言ってごめんね｣

宮｢ちょうど仕事休みだったから大丈夫だよ｣


ごめんねって瞳をうるませてる阿部に
ドキッとしたのは内緒

今日の阿部はいつもに増してあざとい

足のラインが際立つ白いスキニーパンツに
黒とピンクの切り替えニット

チラッと見える首筋には
最近康二とのお仕事が決まったネックレス

さらにはオフだというのにふわっと髪の毛をセットしている

ちなみにエプロンは真紅

期待、させないでほしいんだけどなぁ

俺はラジオで、仕事モードにならないと
キュンキュンさせられないけど
阿部はプライベートでのちょっとしたことで
俺を惑わせるから、嫌いだ


宮｢誰にあげるの？｣

阿｢それは...舘様にも内緒。
上手くいくかわからないから、
上手くいったら報告するね｣

宮｢そっか。
...良い結果が聞けるのを楽しみにしてるよ｣


俺に教えてもらってる時点で俺じゃないのは確かだ

チョコっていったら照かな？

それとも同期のふっか？

翔太は意外と阿部を甘やかしてるから翔太の可能性もある

共通点ゼロの両思いとか言われてる佐久間とか、
それこそ最近仕事で一緒にいることが多い康二とか

めめあべも人気だしなぁ

ラウールに手作りを渡して大人感を出したいのかもしれない

まあ、きっと阿部なら誰でも上手くいくよ

こんな可愛い子に告白されて断るってほうが無理だしね


宮｢で、阿部はなにを作りたいの？｣

阿｢それが、なにがいいかわかんなくて。
いろいろ材料は揃えてきたんだけどね｣


そうやって広げた袋の中からは、
ミルクチョコレートにホワイトチョコレート

卵に牛乳にバター、薄力粉、ココアパウダーなど
まあそれは大量に


宮｢どれだけ作るつもりだったのさ｣

阿｢だってわかんないんだもん｣


思わずクスッと笑うと
少しだけ頬を赤らめてふいっとそっぽを向く

ホントに可愛いからやめてほしい


阿｢舘様のおすすめ、教えて？｣


首をコテンと傾げてそんなこと言われたら
頷くしかないじゃん


宮｢いいよ、何種類か作ってみようか｣

阿｢うん！｣


パアッと輝いた阿部の顔に、またキュンとしたのは内緒

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