炎柱が愛してやまない愛柱の少女の話【鬼滅の刃】

参話 ページ7

Aside


幼い頃から、ずっと探し求めているモノがある



齢14になっても、見つからない


もし”ソレ”が近くに存在したとしても



ボクにはわからない






愛なんて。





自我の目覚めは早く、幼い頃の記憶は最悪なモノばかり


目を開ければ、毎日欲をぶつけ合う両親


結合部からは、白濁した液体がこぼれているのは


今、思うと気味が悪い


押し入れに閉じ込められ、母の喘 ぎ声を聞き


眠ろうとしたあの日




ボクの世界は一変した



押し入れの外から聞こえる母と父の叫び声


肉の千切れる音がする


血の匂いが鼻腔を満たし、脳を歪ませる


押し入れを僅かに開け、外を見ると


人の形をした、”なにか”が両親を喰っていた



『え....?』


ボクの声は”なにか”に届いたようで


こちらを見て近づいてくる




”殺される”



幼いながらにして、そう思った


でも、そんな思いと反して体は動かなかった


死を覚悟に、目を閉じる








気づけば、”なにか”の頸は無くなっていて


ボクの足元に転がっている




煉獄「少女よ、大丈夫か?」



優しく問いかけられ、首を縦に振り


最後に洗濯したか覚えていない服を握りしめる



この人もボクを”いじめる”のだろうか





煉獄「そうか!!..ご両親は申し訳ない。俺がもっと早く来ていたら」


なぜ、頭を下げているのだろう


その人の後ろには既に肉塊と化した親がいた




煉獄「すまなかった..。少女よ、名はなんと言う」

『愛染A...』

煉獄「愛染少女、俺と来ないか?」

『え....?』

煉獄「君は、俺が育てる。俺が強くしてやる

　 せめてもの罪滅ぼしだ」

『....ボクを、いじめませんか?』




不意に出たのは、この言葉だった


答えの選択肢はどれも悪いものばかり頭に浮かぶ


でも、煉獄様がおっしゃった言葉は


酷く




優しかった







煉獄「いじめる?....この世に、いじめていい者などいない!!!



　 この世界は、みな平等に愛される権利がある!!!


　 その権利を剥奪できる者は誰一人としていない!!!」



ボクの肩に手を置いて、真っ直ぐに目を見て言う煉獄様は

とても、眩しかった







煉獄「A!!」

『ぁ、煉獄様』

煉獄「久しいな!!」

『本日の柱合会議でお目にかかれた事を有りがたく思います』

煉獄「そんなに、かしこまらなくていい!!長い付き合いではないか!!!」



今日も、この人の笑顔は眩しい



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