炎柱が愛してやまない愛柱の少女の話【鬼滅の刃】

拾話 ページ14

于善「ハァ……ハァッ…………おい！


　 どうした！



　 俺はまだ倒れてねェぞ！」






あの後、どれくらい時間が経ったのか分からない



于善は下弦の鬼とは思えないくらい



強かった



気がつけばボクは



左腕の機能は完全に停止し


肋骨が内蔵に刺さっているのが分かる


あの腕に殴られたせいか


身体中に棘が刺さっている




『ｶﾊｯ……おい！



　ボクだってまだ



　倒れない！





　


　ボクは鬼殺隊「愛柱」！！




　愛染Aだ！！



　このまま倒れる訳には行かない！





　愛の呼吸！伍ノ型！！



　深愛！！」





ボクは光の速さで


于善の腹に日輪刀を突き刺す


于善の動きも鈍くなっていたから


しっかり腹に刺さった




于善「な？！



　 ヴッ……！！


　





　 ぇ……痛く……ねぇ」


『……楽しかったよ。こんなに



　戦えたこと。



　フフっ……



　鬼だろうと誰であろうと



　ボクは平等に愛を注ぐ



　それが｢愛柱｣



　……来世は鬼になんかならないといいね


　心から願ってる」





ボクはそう囁き



心臓まで腐ったのを確認し



手を合わせる








『帰ろうか……、






　 痛てて……



　 また、胡蝶さんに怒られちゃうなぁ』





ボクは軋む身体に鞭打って



蝶屋敷に向かう









アオイ「Aさん！



　 どうしたんですか？！


　 は、早く治療を！！！」



アオイさんの声に




ボクは意識を飛ばす









「おい。そろそろ泣き止ませろよ！」


「おい！！泣きやめ！！！」







小さい頃の



忌まわしい記憶





「捨ててこいよ。どうせ要らねぇんだろう」


「捨てたら、私たちがこの町に居られないじゃない｣






あれ



あぁ、そっか








ボクっていらない子なんだっけ







要らない子



忌らない子









ごめんなさいっ……









要らない子クセに








愛を求めて






愛を注いで







ごめんなさい






next……

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