13あやかしの名残 ページ13
うつほは
雅紀の首元に鼻先を押しつけ
ぎゅうっとしがみついたまま
ぽつり、ぽつりと潤雅のことを話した。
しっかりしがみつかれているから
雅紀には
うつほが
どんな顔をしているのか全然見えないが
声だけでも分かる。
今、うつほは
嬉しそうに笑っているだろう。
もしかしたら
ちょっと涙ぐんでいるかもしれない。
「良かったね、うつほ。良かったね。」
雅紀は
本当に心から嬉しくて仕方ない。
これで
うつほが
都で一緒に住めたら言うことないのに･･
と
思い至った瞬間
ポンッと雅紀の頭の中に
ちびっ子智の顔が浮かんだ。
「あ！
ねぇ、智は？智は島でお留守番なの？」
うつほは
雅紀の首元に顔を埋めたまま
くふふっと
笑った。
「智は
衛都のみんなと一緒に堤防を作ってるよ。」
「え？この雨の中？」
雅紀がそう問い返すと
うつほは
ふふっと笑った。
「あやかしだった時の力が
ちょっとだけ残っているのかなぁ。
智にはね、水を自在に扱える力があって
堤防を作る作業中、みんなが工事がしやすいように
水をせき止めてくれてるんだ。」
言いながら
うつほは
両手をつきだして
目に見えない何かをせき止めるような振りをした。
「へぇ〜、智にそんな力があるんだ･･。」
雅紀が何度も頷きながら感心していた時
「うちゅほーっ！」
という
元気な声が聞こえてきた。
そして
バタバタと騒がしい足音がしたと思ったら
バーーン！
と勢いよく戸が開け放たれた。
そこに立っていたのは
泥んこになった小っちゃい男の子。
「うちゅほ！」
でっかい声でうつほの名を呼ぶと
頭のてっぺんから足の先までドロッドロに汚れたその男の子が
まりが跳ねるように
勢いよく
うつほと雅紀めがけて飛び込んできた。
が
すぐに
「こら智！
お前泥だらけやからあかんって！」
ふんどし一丁のマルに
智は首根っこをつかまれて
ヒョイとつまみ上げられてしまった。
その後ろから
続けて部屋に入ってきたのは
ヤス、スバル
たっちょん、リョウちゃん、そしてヨコ。
みんな泥だらけに汚れてはいるが
ニコニコ笑っている。
衛都たちの後ろから
ヒョイと顔を見せたのは
セミ丸、オト丸、トビ丸そしてツノ丸の
異形の力を持つちびっ子たち。
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さっこ(プロフ) - はっしーさん！嬉しい〜！！始めから読み直して復習死出お待ちしてます^_^ (2020年9月1日 19時) (
レス) id: fedeb916ac (このIDを非表示/違反報告)
asami(プロフ) - あやかしの続編待ってました！ありがとうございます。またこの個性豊かな素敵な仲間たちに出会えて嬉しいです。雅紀様バンザイ！！ (2020年8月31日 23時) (レス) id: 58c67b34bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はっしー
作成日時：2020年8月27日 23時
