まちゃきさんの観察記録 5

夜会ばなし　1 ページ34

どんどんどんっ！


乱暴にドアを叩いて
ベルをピンポンピンポン連打して
突然、乱入してきた雅紀とニノは
ほんのりほっぺたが赤く染まってて
ほろ酔い加減。

特に雅紀なんか
すでに
ちょっと眠そうですらある。





なになに？
ビールを詰めたクーラーボックス持参で乱入？

っつーか
部屋に備え付けの冷蔵庫の酒じゃないんだ。

どっかで買いこんできた酒を
こんなでかいクーラーボックスに
ロックアイスどっさり入れて
キンキンに冷やして飲んでたんだ。笑





ふふふ‥、笑える。


いや、分かるよ？
分かる、分かる。
だって
冷蔵庫のは、ちょっちお高いから。笑
こうした方が
安くて
いっぱい飲めるもんね。



ふふふ♪
この二人
マジでガチで飲んでたみたい。

だって
ニノなんか
もうすでにヨダレ垂れちゃうくらいだもん。笑

雅紀は‥
ちょっとおとなしめかな？

今も
ソファーにちょこんと座ってるんだけど
膝に肘のっけて
頬杖ついてるのが
可愛くって仕方がない！

でも
二人して迷彩着ちゃってるってことは
なんかやらかす気は満々なんだよね。

探るような俺の視線を受けて
ニノが口を開いた。


Ｎ「これはもう愛だよね。」


へっ？ あ、愛？
ニノ、お前の言う『これ』って何？
ここにこうやって乱入してきたこと？
迷彩の服着て
俺をいじりに来たこと？

お前の言う
『これ』がよく分かんないんだけどーっ？



ニノの言葉に
うまく返せない俺に
酔っ払って
若干甘えんぼモードになってる雅紀が
さらに、追い打ちをかける。


Ａ「‥受け止めてくれないの？」



///えぇっ？
だ、だから、何を？！

雅紀
お前は俺に
何を受け止めて欲しいんだ？

そこ大事だろ？
その大事な所をすっ飛ばすんじゃねーよ！



はっ！

///‥も、もしかして、お前‥

自分を受け止めて欲しいの？


///そ、そういうこと？

‥んだよ
お前の事なら
俺は
いつでも受け止めてやるよ。

飛び込んでくるか？
俺の腕の中に。 ん？ 雅紀？

俺の両手は
お前のために
いつでもあいてるぜ！



コンマ何秒っていう超〜短い時間の間に
そんなくっだらないことを考えて
ニヤニヤしてしまう俺って‥‥

バカだーっ！





俺の妄想をぶち破ったのは
ニノ。

Ｎ「俺らは悔しいのよ。」


へっ？



Ｎ「ダサいダサいって巷で言われてるでしょ？
迷彩、迷彩、ダサい、ダサい‥。」



あ‥、お、俺のファッションセンスの事ね？
びっくりした〜。

悔しいって何のことかと思ったわ！

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