530 ツノ丸 ページ8
バサ‥！
バサバサッ！
上空から急降下してくる黒い影と
翼の羽ばたく音。
バッと上を見上げると
ヒナが
両手を広げて
真っ直ぐに潤雅に向かって飛んでくるところだった。
潤雅が
迷うことなく
ヒナに手をさしのべると
ヒナは
潤雅の両腕をしっかりと握り
目にもとまらぬ速さで
再び
急カーブを描いて上空に舞い上がった。
ヒナの羽ばたきごとに
みるみる小さくなっていく自分が乗っていた船を
上空から見下ろした潤雅は
海賊の大将船の甲板の上を
まるで野生のウサギが原野を走るように
素早く駆ける小さな人影を見た‥。
あれは、なんだ？
‥と、潤雅が思ったその瞬間
「ツ‥、ツノ丸っ！」
ヒナが、短くその名を呼んだ。
・
・
海賊の大将船に乗っていた海賊共は
上空に急上昇する
ヒナと潤雅の姿を見上げ
指さし、口々になにやら大きな声で喚いていた。
天狗のヒナと一緒に天高く舞い上がっていく潤雅に
皆の気持ちは完全に反らされている。
まさに
ちょうどその時に
海賊船の船体に爪を立てて
必死でよじ登ってきたツノ丸が
甲板にピョンと飛び降りたところだった。
甲板の上は
空を飛ぶヒナを荒い声で罵っている海賊共でひしめき合っていた。
その海賊共でいっぱいの甲板の人混みの向こう‥
舳先の方に立つ
特に人目を引く大きな体の男の姿に
ツノ丸の目は吸い寄せられていく。
その男が
高く掲げているのは‥
あれは、なに‥？
喉が、胸が詰まって
声が掠れる‥。
「‥ま、まちゃき‥、しゃ‥、ま‥。」
大きく見ひらいたツノ丸の目に飛び込んできたのは
鎖で吊り上げられている
雅紀の華奢な体だった‥。
もう
その姿を見たら
ツノ丸は
ジッとしていられなくて‥‥
「まちゃきしゃまっ！」
弾かれるように甲板の上を駆けだしていた。
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はっしー(プロフ) - youさん» チーンってしたい。ええ、youさん、チーンってしたいです！まちゃき、愛おしい！好き好き！本当にどうしてあんなに可愛いのか？年々可愛くなるんですけど、あの人！これってどういうこと？うつほとまちゃきも可愛いの。でも２人がニッコリ笑うまでもうちょっと待って！ (2015年2月10日 22時) (
レス) id: 1d879c733a (このIDを非表示/違反報告)
はっしー(プロフ) - けめさん» けめちゃん、遊びに来てくれてありがとう。死後の世界と現実の世界の狭間でふわふわ浮いてる智と咲子‥。思いは空気に解けてなくなるのか？それとも形のない思いだけど思いとして残るのか？私は思いは思いとして残る、伝わると信じたい、です。 (2015年2月10日 21時) (レス) id: 1d879c733a (このIDを非表示/違反報告)
you(プロフ) - viva城島センセ！うつほの為なら泥でも飲める智！すーてーきー（≧∇≦）智はまちゃきのことだって好きなはずっ。不思議の太刀が智をどう視るのかしら。そして、鼻垂れまちゃき…かわゆす。チーンしなって言ってあげたい(>_<)あークソ可愛い。ワタシって葉担だなぁ…。 (2015年2月9日 12時) (レス) id: 593e0914ee (このIDを非表示/違反報告)
けめ(プロフ) - はっし−､智は雅紀を助けに行けるの〜？咲子が死後行ってしまった世界に智が居たなんてびっくりしたけど咲子は智にうつほを託したのかな……って思いました…引き裂かれた我が子､母として子を思う気持ち……ついて行くよ〜！はっし−！ (2015年2月9日 11時) (レス) id: 1aa68bb585 (このIDを非表示/違反報告)
はっしー(プロフ) - 柚樹さん» あのね〜、もうね〜、ここまで来たら徹底的に悔いの残らないように戦い尽くしてもらいたいのです。徹底的に純友も潤雅も戦うと思うので‥。ただ読んで下さる皆様は苦痛かな‥。もう暫くおつきあいください！次章くらいで長く続いたこのお話もラストです。 (2015年2月7日 0時) (レス) id: ffd063135a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はっしー
| 作成日時：2014年10月27日 1時
