それはなんでもない一日

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・・・んにゃ ・・





ふと、目を開ければ

いくつもの心配顔が俺を見下ろしている・・・。




え〜っと‥
体育の先生と、化学の先生
英語の先生と、古典の先生・・・ だよね？









あ‥あ、目が開いた！
大丈夫か？
どっか痛いところあるか？
手足、痺れてないか？
吐き気は？






先生たちが次々質問してくるけど
そんないっぱい聞かれたら
答える暇ないよ〜！





俺は
目をパチパチさせながら
みんなの顔を
ぽかんと見てた。





俺が何にも言わないから
心配になってきたんだろう。

『おい、大丈夫か？』

英語の先生が
俺の目の前で手をヒラヒラさせた。





俺は、先生の節くれ立った指を見ながら
コクンと頷いた。





ほぅ〜‥っと
４人の先生は安心したかのように大きく息をついた。





『お前、なんで倒れたか覚えてるか？』

化学の先生が
俺のほっぺたをペチペチしながらたずねる。





えっ‥

俺、倒れたの？





古典の先生が

『さっき、グランドで急に倒れたんだ。』

俺の手首の脈をとりながら教えてくれた。





グランドで・・・？





『櫻井が真っ青な顔で
体育教官室に飛び込んできた時は
びっくりしたぞ。』

体育の先生が
腕組みして笑ってる。




あ‥ぁ
思い出してきた。

俺、しょーちゃんらと一緒にいたんだっけ‥。





消毒液のにおいがする‥。
ここ
保健室？





ぐるっと首を回そうとした途端
「いてっ！」
ズキッと痛みが頭の左側を走った。





Ｏ「あぁ‥、じっとしててね〜。
倒れた時に机の角で頭打って、血ぃ出てっから。」



この眠たそうな声は‥
保健の大野先生？



『大野先生、傷は大きいですか？』

両膝に手をついた姿勢で
俺の顔をのぞき込んでいた英語の先生の質問に
大野先生は
俺の傷口を脱脂綿で圧迫止血しながら

Ｏ「ん〜‥
たいしたことないよぉ。
さっき見たけど、５mmぐらいじゃない？」

気の抜けた声で答えてる。

Ｏ「そんな深い傷でもないし
もう、血も止まると思うよ。」


ふわぁ〜んとしたこの声‥。
気が抜けるよね‥。



その時

「まーが倒れたのは、俺のせいです。」

廊下から
松潤の震える声が聞こえてきた。

寝かされてるベッドから廊下の方を見ようと
首をひねったら

Ｏ「こら〜、じっとしてなさい。」

大野先生に軽く睨まれた。





『ちょっと、松本こっちに来い。
詳しく話を聞かせろ。』

怖い怖い生徒指導の先生の低い声が聞こえた。

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