47話 ページ49
Ｓ side
Ｎ 「事件？それってどんな事だったんですか？」
O 「っていうか、あーばちゃん小さい頃から
そんな生活してたなんて...。」
I 「その事件っていうのは「斗真くん、ストップ。｣
生田先生が話そうとした時に雅紀が遮った。
Ｓ 「雅紀！目、覚めたか？大丈夫か？」
A 「......平気..。それより、斗真くん喋りすぎだよ。
それに、事件っていう程でもないし。」
I 「でも、雅紀を苦しめたのは確かだろ。」
O 「あーばちゃん。教えてくれない？俺らに。
君がどんな過去を過ごしてきたのか。」
A 「知ってどうするの？」
O 「どうもしないよ。ただあーばちゃんのことが
知りたいだけ。」
A 「いいよ。そのかわり俺のいう事一つだけ
聞いてくれる？」
J 「何を聞けばいいんだ？」
A 「それは..俺が話した後に言う。」
O 「？ うん..分かった。」
交渉成立ってとこかな？雅紀が俺らに
して欲しいことも気になるけど、今は雅紀の話が
先だ。
A 「斗真くんがいう事件っていうのは、
俺の両親が事故死したってこと。」
Ｎ 「え？亡くなったの？」
A 「うん。俺が中1の頃に。
もともとさ、俺と両親の生活は昼夜真逆で
普段顔合わせることが滅多になかったから
絶望するほどの悲しみはなかった。
お金だけ与えて子育てした気になってる
2人を俺は軽蔑してた。小さい頃からそう。
どれだけテストでいい点とっても、運動を
頑張っても、授業参観も運動会も卒業式すら
来なかった。小学生だった俺にも分かる位
あのふたりは俺に興味なんてなかった。
だから悲しくなかったし、変わったのは
生きてるか死んでるかだけ。どうせ生きてた
頃も、家にいないも同然だったから俺から
すれば何も変わらない。」
Ｓ 「そんな...悲しいこと...。」
A 「両親が死んだことよりその後の事の方が
俺にとってきつかった。
両親の仕事をよく思わない親戚の奴らは
直接2人に言えないからって俺に文句を
言ってきた。文句を言いまくった後は
今度は誰が俺を引き取るかでもめ始めた。
俺に拒否権なんてないから大人の言う事を
聞くだけ。結局、引取り先が決まった後、
引っ越してみれば、学校を転校しろと
言ってくる。」
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作者名：幸 | 作成日時：2017年4月23日 12時
