崩される日常 (ページ48)

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46話ページ48

I side

＿回想続き＿

どいうことだ？

A 「いつもこの机にお母さんが500円おいて
仕事に行くの。そのお金で学校帰りに
コンビニでご飯買うんだよ？」

小学生の子供にお金だけ置いて、後は勝手に

ご飯食べとけってことか？ひどすぎる。

I 「ご飯っておにぎり2つだけ？」

A 「？そうだよ？」

まじかよ…。これは、母さんに言うべきだな。

I 「雅紀、今日うちでご飯食べようぜ？」

A 「え？でも僕もうご飯買っちゃったもん。」

I 「いいから。ほら、いくぞ」

雅紀手を握り、俺の家に向かった。

I 「ただいま。」

母「おかえりー！
あ！雅紀？久しぶり～！」

A 「あきさん、久しぶり！」

雅紀と時間が合わなくなって、約2年。

母さんが最後に雅紀を見たのは雅紀が小学1年の

頃だった。たった2年かもしれないが、

俺らにとってはかなり大きい、長い2年だったと

今さらながら感じた。

その後、久しぶりに3人でご飯を食べて

雅紀は俺の部屋でゲームをしている。

俺はその隙に母さんの元へ行き今日の事を話した。

母「そんなことがねー。
雅紀、いじめられてるみたいね。」

I 「え？」

母「え、何、気づかなかったとか言わないよね？」

I 「いや、まぁ、、、言おうとした、、」

母「はぁ？あんたねぇ。雅紀をちゃんと見た？
足にもたくさん傷があったし、顔にも
いくつかあったのよ？気づかないなんて。
まぁ、あんたは部活とか勉強とかを言い訳に
雅紀をほっといたからね。」

分かってるよ、今その事を悔いてんだよ。

はぁ、どうすっかなー。

それから、何にもいい案が浮かぶこと無く

雅紀は帰っていってしまった。あぁ、ダメだな俺。

その日から雅紀の事を気にかけて、学校の前で

雅紀が下校してくるのを待ってみたり、

いつものコンビニで待ってみたりと色々してみたが

なぜか、雅紀と会えない日々が続いた。

おれも、いよいよ受験期になってきて

雅紀を気にかける余裕などなくなっていった。

俺の受験は見事合格し、高校生となった。

高校は中学よりも忙しくて完璧に雅紀のことは

頭の中に無かった。

そして、雅紀の事を思い出す事のないまま

俺は養護教諭になるために短期大学へ進学した。

俺が大学1年。この年にある事件が起こった。

そして、この事件が雅紀をさらに苦しめる

ものへと繋がるスタートラインだった。