崩される日常 (ページ46)

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44話※訂正済ページ46

I side

＿回想続き＿

俺は毎日小学校から帰ると、必ず公園に行ってた。

公園に行って、雅紀を迎えにいくんだ。

雅紀は時々母さんの店の手伝いをしてる。

母さんも「雅紀のおかげでお客さん増えてるのよ♪」

って嬉しそうに言ってた。けど、それ以外の日は

一日中公園で1人、ずっと遊んでた。お昼ご飯にって

母さんがお弁当を毎回持たせてたけど、ほんとに

ずっと公園にいるんだ。俺が迎えに行った後は、

俺の家で夜ご飯を食べて、そして雅紀の家まで送り届ける。

そんな習慣がいつの間にかできていた。

でも、俺も母さんも

迷惑だなんてこれっぽっちも思ってないけれど、

雅紀の家庭の事情が気になっていた。

毎日夜遅く帰る雅紀を心配してはいないのか。

そもそも、なぜ雅紀は家でご飯を食べないのか。

その謎が解けたのは母さんが意を決して雅紀に

聞いた日だった。

母「ねぇ、雅紀？ママとパパは雅紀が夜遅く
帰ってきても怒らない？」

A 「え？」

母「毎日うちでご飯食べてるでしょ？
雅紀怒られないかなって思ったの。
雅紀のママもご飯作って待ってるんじゃない?」

母さんが聞いたことに雅紀は少し考えてるよう

だった。

A 「...........あきしゃんととうまくんは、
まーがじゃま？まーのこときらい？」

思わぬ返しに俺も母さんも戸惑った。

I 「違うよっ！嫌いじゃないよ！大好きだよ！」

A「まーのパパとママはね、まーのこと
すきかわかんないの。いつもいないの。
まーがねてるときにおしごとで、
まーがおきたらおやすみなの。まーのこと
きらいだからまーのことみたくないのかなぁ。

I 「それは「違うと思うよ？

母さんが言った。

母「雅紀の事好きだから、大切だから
ママもパパもお仕事頑張ってるのよ。」

A 「そーなの？」

母「きっとそうよ！よし、ご飯食べよっか！」

A 「うん！」

まだまだ俺は聞きたい事がたくさんあったけど、

母さんが何かを察したのか聞く事を止められた。

時は経って、俺は中学3年になった。

雅紀も、小学3年になっていた。

俺が中学に上がったと同時に以前は部活、

今は勉強と雅紀との時間がどんどん無くなって

いった。

最初は気にかけていたけど、雅紀も家には通わなく

なって、姿を見なくなった。

そんなある日、いつものように友達と帰ってたら、

帰り道にあるコンビニにふと目がいった。

店の中に雅紀がいたんだ。