崩される日常 (ページ21)

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19話ページ21

I side

用事を済ませ、保健室へ戻りデスクの整理を

し始めた時、ドアが勢いよく開いて雅紀が

入ってきた。

I 「雅紀？ちゃんと案内できた？」

そんな質問をしてる途中に雅紀は俺に

抱きついてきた。こりゃぁ、何かあったな。

A 「あいつら嫌い。どんどん踏み込んで来る。」

抱きついたまま泣きそうな声で言ってきた。

I 「何があった？大丈夫だから。話せる？」

A 「屋上に案内した。この街は綺麗だって。
俺はまだ子供だから一部しか知らないだけ
だって。俺の事を、教えて欲しいって。」

ってことは、雅紀がこの街が汚いと思ってる

事を知ったんだ。まぁ、先生達が言ってる事も

分からなくもないけどね。この子は見方が少し

歪んでるから。

でもそれは雅紀が悪いんじゃない。

周りの環境に、人に恵まれなかったんだ。

いつか、雅紀の過去を先生達に話せる日が

来るのかな。いや、話して向き合わせなきゃ

いけない。雅紀を呪縛から解放してあげないと。

先生達、もう少しだけ雅紀に付き合ってあげて。