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確かに木下君のことでもめるのは仕方がないことなのかもしれない。
ふとそう思い、本を種類ごとに並べる手を一回止める。図書室には誰もおらず私が動きを止めると図書室に設置されている時計の針が動く音と校庭で放課後の部活の練習をしている人達の声がより一層と聞こえてくる。
クラスの・・いや学校で一番顔が整っているのは木下君であると私は考えている。勉強や運動もできるので凄くモテているのも事実である。
蔵光さんや他の女子だって木下君に話すときはいつものように話すときよりも甘ったる声で話すので
聞いている私が気持ち悪くなってしまうのだが、その声にいやなそぶりもせず話す木下君に私は尊敬の心を持ち始めてしまっている。
先程の芳川さんは全く木下君に関わっておらず私が好きな部類に属しているいい子だが、木下君が落とした消しゴムを善意で拾ったのを蔵光さんに目撃され、こんな状況になってしまったのだろう。
芳川さんを助けたい気持ちはあるが、こんなちっぽけな私があの間に入ったって何もいいことはないと思う。逆に悪くなる場合もある。
私は間に入った子たちがどうなったのかも目では見てないが、この耳で聞いてきた。だから、あえて間に入らないし、芳川さんや蔵光さんにも話しかけない。
そう考え私はまた作業をするため手を動かし始めた。
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作者名:ツリー・スプリング | 作者ホームページ:http://merlin
作成日時:2019年11月3日 16時