SAVE ME (ページ10)

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怖いの？優しいの？ページ10

何でユンギさんが？？と不思議に思っていると中々車に乗らない私に痺れを切らしたのか
「見られると、まずいんで。早く」
少し怒った口調で言われ慌てて乗り込んだ
シートベルトを締めたのを確認して車を走らせる彼
『あの…、何処に？』
質問した私をチラッと見て、そしていきなり笑い出す。あ、この子もこんな顔して笑うんだ。笑うと可愛いじゃない。
…じゃなくて！どうして笑われてるのか分からず、少しムッとして彼を見ると
「あ、ごめんなさい。てか、病院、行くんですよね？」
そしてまた、ふふっと笑う
あ、そうだった。そもそも病院に連れて行ってもらうんだった。なのに思いがけずユンギさんが迎えに来たからびっくりして病院のことすっかり忘れてた

「手、大丈夫ですか？不便ですよね…すみません」
『謝らないでください。誰のせいでもないですから。確かにギプスは初めてなのですごく戸惑ってますし、思ったより不便ですけど』
『でも知らない人なのにみんな助けてくれて、優しさをとても感じてるんです』
「あの、何か助けが必要なら遠慮なく言ってくださいね。本当に。どんな小さな事でも」
『はい…ありがとうございます』

何となく、機内での感じで彼は無口な人だと思っていた。無愛想で無口で、怒りっぽい。
でも今私の隣にいる彼は第一印象とは全く違ってよく喋るしよく笑う、そしてとても優しい。
退屈しないように、昔自分が骨折して大変だった時の話を面白く話してくれたりした。そのお陰か、病院までの道のりはあっという間で少し残念に思った程だ。

病院の入口に停まった車から降りると
『ありがとうございました。じゃ』
お礼を言って中に入ろうとした
「ちょ！！！ちょっと！待った！」
後ろでユンギさんの焦った声
『はい？』
「診察、終わるまで待ってるんで」
『え？いやいや、送ってもらっただけでも有り難いのにそんなの申し訳ないし、あの、帰ってくださいね？』
「てか、病院終わった後、来てもらいたい所があるから…」
あ、そう言えばマネージャーさんも用があるとか何とか言ってたっけ？
『なら、分かりました。なるべく早く診てもらってダッシュで戻りますね』
「wwwwゆっくりでいいですよ」
「走って転んで今度は足の骨折られたら大変だしwwww」
そう言って意地悪そうにニヤリと笑う
ば、馬鹿にして！！
『…むぅ。じゃ、もう、めちゃくちゃゆっくり戻ります！』

爆笑したユンギさんの声を背に病院の中に入っていった。…なんかすごいからかわれた気がする