見ないでください ページ7
「ヒョン…誰?」
可愛い男の子がキャップの彼に話しかける。
キャップの彼は男の子を無視して(無視かい!)後ろを振り向き
「ジニヒョン、湿布持ってますよね?」
「ん?うん。ちょい待って」
えぇぇぇー、いや、こっちこそちょい待ってなんですけど。こっそり後ろを振り返るとイケメンな彼が荷物をゴソゴソ探していて、その隣には私の事すごく不審そうな顔で見てる男の子が…
バンに乗り込んだ時は他に人がいるなんて気付かなかった。可愛い子たちにジロジロ見られるなんてもう、本当、帰りたい
「手、いいですか?」
キャップの彼が湿布を剥がしながら私の手を取る
「あぁ、ヒョンこれポッキリいっちゃったね…痛そう」
さっき無視された男の子が顔をしかめた
「本当にごめんなさい。僕たちのファンの子が…」
「あの子たち見境いなくなっちゃう時あるからな。本当いつか誰か怪我するんじゃないかと思ってたけど…本当に申し訳ないです」
マネージャーらしき男性が運転しながら謝ると、男の子たちも口々に
「ごめんなさい…」と謝ってきた
『いやいや、ボーッとしてた私にも責任ありますし、彼女たちも悪気があった訳じゃないから…』
「これからこいつら降ろした後、病院行きましょう。もちろん治療費諸々はちゃんとお支払いしますしフォローさせていただきますから」
『あ…はい。病院は連れてってもらえると私もありがたいです』
ふと、キャップの彼を見ると見慣れたニコニコ顔は無く、今にも泣きそうな顔をしていた
『本当、大丈夫ですよ?ね?…きっとプチトマト食べたらすぐ治りますw』
そう言うと
「ふふ」
プチトマト、というキーワードに反応して少し微笑んだ。うん、君は笑った方が可愛いよ。そ、そしてキャップの彼の奥の可愛い男の子のガン見が相変わらず強烈…
1時間ほど走った車はある建物の側で止まり
「おまえら、とりあえず練習してて」
とマネージャーさんが声をかけると男の子たちはファイティン、とかごめんなさい、とか私に口々に言いながら車を降りていった
私が乗ったバンの他にもう一台、同じようなバンが止まっていて中からまた可愛い子たちがぞろぞろ出てきた。中には
『あwww』これまた見慣れたユンギさんもいて、知ってる顔に少しまたホッとした
キャップの彼がユンギさんに何か話していたけど、何だか怒ってる顔をしていた。そして私の乗ってるバンを見て少し悲しそうな顔をした。私の話を聞いての、その顔だったのかな。なんか申し訳ないな。
バンが走り出した
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作者名:ぬな | 作成日時:2016年12月29日 17時