受け取りません ページ4
そんな事件はあったが所詮は他人同士。
(たぶん)有名人である彼らと一般人の私はその後、特に話をするでもなくそのまま時を過ごした。
しばらくして、またマスクの彼が来て3人で話し合っていたが先程のようなピリピリした感じはなく、心なしか穏やかに行われたみたいで…ユンギさんの口調も柔らかく…
「あ?ナムジュン、死にたいのか??」
…柔らかくなってはいないけど、それでもたまに笑いが起こってたから機嫌は良くなったのかな
それにしても彼らは何者なんだろう。アイドルなのかなぁ。確かに私の前に座ってて、やたら後ろをチラチラ見てくるもう1人のマスクの男の子は、整った顔をしていていかにもアイドル!って感じで。
キャップの彼もキラキラしてるし、ナムジュンとか言ってたマスクの彼も顔は半分見えなかったけどオーラはとてもあったしな…
え?てかユンギさんもアイドルって事はアイドルスマイルしちゃうのかぁ。想像できない…
そして飛行機は着陸体制に入った
「…あの…これ」
ユンギさんに突然話しかけられた。
何だろう、と彼を見るとお金を差し出している
『???』
訳が分からず、頭を傾げると
「あの…ニット…」
彼の目線を辿った先、私の着ていた白のニットの肩に薄赤いシミが付いていた。
『あっ』
そう言えばクリーンヒットしたプチトマトは少し潰れてしまっていて、中の種が飛び出していたっけな。
でもまさかニットに付いちゃってたなんて気付かなかった
『あ、大丈夫ですよ。これくらい拭けば』
そもそも高級な服でもないし、そんなに目立ったシミでもない。
「…でも」
『気持ちだけで、ね?』
そんなやり取りをしている間に飛行機は着陸した。このままじゃ無理やりかお金を握らせてきそうだったので、じゃ、と言って慌てて機内を飛び出した
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作者名:ぬな | 作成日時:2016年12月29日 17時