SAVE ME (ページ23)

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ユンギside ページ23

ユンギside②

あれから何日か経った

俺たちは変わりなく忙しい毎日を送っている。打合せ、収録、取材、練習…忙しいのはいい事だ。
アイドルと言う職業も初めは慣れずイライラした事もあったけど、今は楽しめてやってる、かな。曲作りは大変だが、それでも好きにやらせてもらってるから他のアイドルに比べて幸せなのかもしれない。比べようが無いけど。

いつものように少し空いた撮影の間の時間。いつものように静かになれる場所を探して横になる。
と言っても静かになれる場所なんて存在しないんだけどな。
弟たちがうるさく邪魔をしにくる。怒る俺に怖がりながら。そして楽しんでいやがる…なんだよ肝試しかよ

そんな時、近くにいたマネヒョンの話し声がふと耳に入ってきた。
「病院、明日なんですね」
「迎えに行きましょうか？？…あ、そうですか。では何かあったら連絡くださいね」
そう言って携帯を切る

「…ヒョン、今のって」
「あぁ、ユンギ。この前空港で骨折させちゃったAさんだよ」
「A…さん」
「うん、名前はA、って言うらしいよ。明日は病院の日だから車で送り迎えするって言ったんだけどな。大丈夫、って断られたよ」

普段ならそこで、ふーん、で会話は終わって俺はまた眠りにつくはずだった、のに

「ヒョン、明日なら俺夕方から特に仕事無いですよね？なんなら俺が送り迎えします」
「ユンギが？？？」
そりゃ驚くよな。自分でも驚いてるわ

「ヒョン、ヒョン！明日さ夜はみんなオフじゃん？病院終わったAさんと懇親会とかしない？？」
側で寝ていたはずのホソクがいつから俺たちの会話を聞いていたのか、しかも自然にAさん、なんて呼んでやがる
「えー！何？何？Aさんって誰？懇親会って？？」
ジミンまで来たじゃないか。でもどうやらジミンは初対面のバンの中で彼女の事ずっと疑惑の目で見てたのが気掛かりだったらしく、Aさん！懇親会！と楽しそうだ

「んー、じゃあとにかく彼女に聞いてみるから。断られたら無しだぞ？」
「はーい」
「あの、ヒョン。俺が迎えに行くってのは黙っててください。あと用もあるから送らせて、みたいに言った方が断りにくいかも」
「おぉー、ユンギヒョン策士だねぇ」
ホソクがにやけてるのが見えたが無視

彼女に電話をかけるマネヒョン。側で聞き耳をたててるホソクとジミン。ニコっと笑うとOKサインを出した
了解したってことだな

明日は少し、ほんの少しだけ楽しみができた