イケメンパラダイスですか? ページ17
地下駐車場のエレベーターから7階に上がると、そこはワンフロアが一軒の和食屋さんになっていた
え?ご飯?
と思いつつ、何のためらいもなく中に入っていくユンギさんの後を慌てて追いかけると1つの個室の前で止まった
どうぞ、とドアを開けて先に私を押し込む
広めの室内は掘りごたつ式の造りになっていて、ドアに1番近い席にはマネージャーさんが座っていた
あ、マネージャーさんだ、と思って中に入りかけた…
けど…無理、無理!キラキライケメンばかりの空間が私を待っているなんて聞いてませんけど!
「っ、痛、ちょ、急に止まらないでくださいよ」
中に入ろうとして急に止まった私にぶつかってきたユンギさん
そして
お、押さないで
無理やり私を中に押し込もうとしている
『ちょっと!待って!無理』
2人で、入れ、無理、入れの押し問答をしていると
「やー、何してるんですかwwwほら、入りましょ」
そう言って優しく手を取って引っ張る人が
あ、キャップ君だ
何故か、キャップ君の顔を見ると安心するなぁ。不思議な魅力の塊
キャップ君に手を引かれて大人しく空いている席に座る。
私の前にはキャップくん。隣にはユンギさん。反対側の隣は…
『ひっ!』
バンの中でも私の事めちゃくちゃ凝視してた男の子が、またしても凝視してきた…こ、怖い。恥ずかしい。
どうしたらいいのか分からなくて下を向いていると
「ビール、飲めますか?」とキャップ君が聞いてきた
「やー、怪我してんのにアルコールはやめた方がいいだろ」
「あ、そうか。じゃ烏龍茶?」
『あ!!あの、出来ればビール…飲みたいんですけど』
「でも怪我…『来週ギプス取れるし、今まで禁酒してたし、少しなら大丈夫です』
「wwwじゃ、少しですよ?」
はー、良かった。こんな状況でシラフなんて絶対無理だから。
早く酔わせて。早く酔いたい。
しばらくして運ばれてきた飲み物と美味しそうな料理。お昼ご飯をろくに食べてなかった私のお腹は素直にグーーーっと鳴り出した。
みんな話してて騒がしいから誰も気付いてないよね。危な。恥ずかし。
「くくくくく」
油断してた。
凝視の彼の存在を忘れていた。
こっそり彼を見るとお腹をさすりながら
「僕もペコペコ」
とニカっと笑っている。
そしてこっそり枝豆を取り「はい半分こ」と出てきた豆を一粒くれた。
…変わってる。
こんなに可愛いのに、なんかすごく摩訶不思議な子。でも憎めない感じだな。
ありがとうございます、と言って素直に豆一粒を受け取る
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作者名:ぬな | 作成日時:2016年12月29日 17時