検索窓
今日:1 hit、昨日:22 hit、合計:213,526 hit

ストーリー47 ページ49

-ころんside-

A「お父さん、、またお酒…?」

『ぇ?』

Aが無理やり口角をあげて笑う。


A「えっと、、お、お酒は、体に悪いってせ、先生に言われたんじゃ、、」


体に悪い?先生?

僕は引き出しを閉めて、Aの方を向く。


A「ご、ごめんなさい、、、私が言えることじゃないね、、はは、、、」


僕が少し近づくと、Aは肩を大きくビクつかせる。

A「ごっ、、ごめんなさい!!ほ、ほんとにそんなつもりじゃ、、、」


なんだか、少し口調が幼い気がする。

それに言葉使いが今よりも丁寧だ。



まるで、過去に戻ったような…。


まぁどうにしろきっとその「お父さん」ってのが理由なんだろう。

『A、、、』


そんな怯える子犬みたいな彼女を見ていると、自然と抱きしめて、大丈夫って言ってあげられたらって思えた。

さっきの掴み方は悪かったかな。

ならもっと優しくすればいいだけだ。


大丈夫だよって、僕がいるよって伝えたい。


_______________
-貴方-

お父さんに口答えしちゃった、、、

た、叩かれる、、、
やだやだ、、

お母さん、、助けてよ、、

お父さん、、どうしてそんなに怖くなっちゃったの?

お父さんの影が、少し近づいてくる。

私は必死に謝る。


『ごっ、、ごめんなさい!!ほ、ほんとにそんなつもりじゃ、、、』



これ以上叩かれないように。痛くないように。


お父さんの影が私のすぐ近くまでくる。

あ、、叩かれる、、、。

私はぎゅっと目をつむって、体に力を入れて身構える。


『、、、?』









初めて感じるあたたかい温もり。

ぐっと身構えていた身体も、思わず力が抜けてしまう。


気がついたころには、もう私の体はころんの体の中にすっぽりとおさまっていた。



もう、思い出の中で枯れた果てたはずの涙が、また溢れだしてくる。


胸の中が今までに味わったことがない感情で埋まっていく。



あぁ、暖かいってこういうことなんだなって高校2年生にもなって初めて気づいた。



『、ころ、、、ちゃ、、』


みんながそう言ってたように、自然と「ちゃん」をつけて呼んでしまう。






こ「うん。」


彼のそのたった2文字の一言が、あったかくて、優しくて、深く安心できた。





顔は見えなかったけど、きっと優しく笑っていただろうな。

続編のおしらせ→←ストーリー46



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (136 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
270人がお気に入り
設定タグ:すとぷり , 歌い手 , ドS
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

フェアリー - ツンデレって、可愛いよね?ね?(圧)ということで結論 ツンデレ=最高(何言ってんだこいつ) (2021年11月14日 22時) (レス) @page1 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
(`∀`⊂) - でも面白いです! (2019年10月24日 19時) (レス) id: dbe2a2ad53 (このIDを非表示/違反報告)
(`∀`⊂) - あの、、、関西弁変ちゃいます?気にさわったんならすいません。 (2019年10月24日 19時) (レス) id: dbe2a2ad53 (このIDを非表示/違反報告)
赤猫君。(プロフ) - おおお? (2019年10月18日 22時) (レス) id: 8740c32d82 (このIDを非表示/違反報告)
赤猫君。(プロフ) - 元乃猫です!      え!続きタノシミ!!! (2019年10月17日 18時) (レス) id: 8740c32d82 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Aiai | 作成日時:2019年8月15日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。