ストーリー47 ページ49
-ころんside-
A「お父さん、、またお酒…?」
『ぇ?』
Aが無理やり口角をあげて笑う。
A「えっと、、お、お酒は、体に悪いってせ、先生に言われたんじゃ、、」
体に悪い?先生?
僕は引き出しを閉めて、Aの方を向く。
A「ご、ごめんなさい、、、私が言えることじゃないね、、はは、、、」
僕が少し近づくと、Aは肩を大きくビクつかせる。
A「ごっ、、ごめんなさい!!ほ、ほんとにそんなつもりじゃ、、、」
なんだか、少し口調が幼い気がする。
それに言葉使いが今よりも丁寧だ。
まるで、過去に戻ったような…。
まぁどうにしろきっとその「お父さん」ってのが理由なんだろう。
『A、、、』
そんな怯える子犬みたいな彼女を見ていると、自然と抱きしめて、大丈夫って言ってあげられたらって思えた。
さっきの掴み方は悪かったかな。
ならもっと優しくすればいいだけだ。
大丈夫だよって、僕がいるよって伝えたい。
_______________
-貴方-
お父さんに口答えしちゃった、、、
た、叩かれる、、、
やだやだ、、
お母さん、、助けてよ、、
お父さん、、どうしてそんなに怖くなっちゃったの?
お父さんの影が、少し近づいてくる。
私は必死に謝る。
『ごっ、、ごめんなさい!!ほ、ほんとにそんなつもりじゃ、、、』
これ以上叩かれないように。痛くないように。
お父さんの影が私のすぐ近くまでくる。
あ、、叩かれる、、、。
私はぎゅっと目をつむって、体に力を入れて身構える。
『、、、?』
初めて感じるあたたかい温もり。
ぐっと身構えていた身体も、思わず力が抜けてしまう。
気がついたころには、もう私の体はころんの体の中にすっぽりとおさまっていた。
もう、思い出の中で枯れた果てたはずの涙が、また溢れだしてくる。
胸の中が今までに味わったことがない感情で埋まっていく。
あぁ、暖かいってこういうことなんだなって高校2年生にもなって初めて気づいた。
『、ころ、、、ちゃ、、』
みんながそう言ってたように、自然と「ちゃん」をつけて呼んでしまう。
こ「うん。」
彼のそのたった2文字の一言が、あったかくて、優しくて、深く安心できた。
顔は見えなかったけど、きっと優しく笑っていただろうな。
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フェアリー - ツンデレって、可愛いよね?ね?(圧)ということで結論 ツンデレ=最高(何言ってんだこいつ) (2021年11月14日 22時) (レス) @page1 id: ebc545326a (このIDを非表示/違反報告)
(`∀`⊂) - でも面白いです! (2019年10月24日 19時) (レス) id: dbe2a2ad53 (このIDを非表示/違反報告)
(`∀`⊂) - あの、、、関西弁変ちゃいます?気にさわったんならすいません。 (2019年10月24日 19時) (レス) id: dbe2a2ad53 (このIDを非表示/違反報告)
赤猫君。(プロフ) - おおお? (2019年10月18日 22時) (レス) id: 8740c32d82 (このIDを非表示/違反報告)
赤猫君。(プロフ) - 元乃猫です! え!続きタノシミ!!! (2019年10月17日 18時) (レス) id: 8740c32d82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Aiai | 作成日時:2019年8月15日 23時