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甘えん坊なヒーロー_TH_ ページ4

「なあ。やばいよ。お前ちょーいい匂いするんだけど」





そう言って背後から私の腰に腕を回し、顎を私の肩にのせている彼。


私の首に巻きついている洗ったばかりのマフラーから、きっと柔軟剤の匂いがするのだろう。それに鼻を埋めてクンクン言いながら匂いをかいでくる。




さっきから彼はずっとこんな感じだ。



...ここ電車の中なのに。





『ちょっとテヒョナ、人いっぱいいるから、ね?』





「なに」





『ちょっと離れよう』





さっきから周りの人の視線が気になって気になって恥ずかしくなった私は、なんとか彼から身体を離そうと、私のお腹の上でがっちりホールドされている手をほどこうとするも、





「やだ」





そう言ってびくともしないテヒョン。





『もう』





彼は人の目をまったく気にしない。



もちろん私の前でも、どんな変顔だって披露してくれるしモノマネもお得意だ。



そんな彼が簡単に手を離してくれるわけないし、
肝心の私もこうやってぎゅっとされていることが嫌なわけではない。




『...着いたら離してね』





「ん」





そう言ってまた腕に力を込める彼。




そんなこんなで、久々のデートのため、今私たちは電車で遊園地に向かっている。









『うわ、人多いね』





遊園地に着いて中に入った途端、人の多さに圧倒される私。


...とは逆に、




「ねぇ!ちょっとあれ!あれと写真撮って!」





そういって私に突然自分の携帯を渡したかと思えば、猛スピードで向こうにいるクマの着ぐるみの方に走っていく彼。





『撮るよ』





私がカメラを構えているのに、テヒョンがいちいちクマにポーズを要求するからなかなか決まらないし、クマの人困ってるじゃん。と笑ってしまう私。



...案の定、へんてこりんなポーズになっていた。








お昼ごはんを食べ終わった後、私はオレンジジュースを買い、また二人で手を繋いで歩き出す。



しばらくして



「俺、トイレ行ってくんね、待ってて」





彼がトイレに行ってしまったので、私は一人でトイレの前に立って待つことにした。



ぼーっと待っていると





『きゃっ』





”いてっ”





向かいから歩いてきた三人の男の人が、明らかわざとぶつかってきたのである。

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設定タグ:BTS , 防弾少年団 , 短編小説   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:Ri-a | 作成日時:2016年3月14日 12時

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