なんか知らんけど狙われてるってよ、俺。【呪術廻戦】

カラス〜はカッ、カッ、カ〜 ページ11

・


　群馬を十分に満喫した俺たち。
　うまそうな土産も買ったし、風呂には入れたし大満足。自分が現在組織から逃げている途中であるという自覚が全く持てないぐらいに楽しんでしまった。

　そして群馬と新潟の県境付近にあるパーキングエリアにて、俺と柴田は購入したおにぎりを食いながらのんびり談笑中。
　高校で飼育されてた金魚を焼いて食べたこと、屋上で勝手に打ち上げ花火をして仲良く生徒指導を受けたこと、昼食の時間にピザ頼んで二人で食ったこと……思い返せば思い返すほどクソガキだったな俺たち。多分今もそんなに変わらないけど。


「そういや、俺たちが埋めたタイムカプセルどうなってっかなあ」


「ああ、ぜってーバレないって笑いながら体育倉庫の中に隠したアレ？」


「そう、それ。
　お前何入れたんだっけ？」


「俺は校長のカツラと落書きしまくった教頭の写真、梅干し—————」


「何入れてんだよお前」


　ゲラゲラ笑っていると、「そういうお前は何入れたんだよ」と柴田はタバコを吹かす。
　俺はお前と違ってまだまともなもん入れてるよ。


「将来の自分に向けての手紙を入れた」


　すると、今度は柴田が「小学生かよ！」とゲラゲラ腹を抱えて笑い始める。少なくともお前のカツラやら落書き写真やらよりマシだわボケ。てか梅干しってなんだよ梅干しって。


「手紙の内容覚えてんの？」


「そんなに詳しくは覚えてねーけど、なんか『ちゃんと医者になっとけよ』的なことを書いたと思う」


「ああ、医学部だっけ今」


「こう見えて医学部なんです俺」


　それなのに今は大学もサボッて呑気に旅行とは、人生って何があるかわかりませんな。
　母さんと父さんにはどう説明しようか。考えどころだなあ。

　溜息を一つ。
　そしたらカラスが寄ってきて、カアと一鳴き。お前も共感してくれるのか？ 嬉しいねえ。

　撫でてやろうとしたら突かれた。痛い痛い。
　最近の野鳥は気性が荒いな。

思い出チョコレート。→←草津温泉すっげぇ。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す