【今】 ページ25
その瞬間、青い炎が視界に入る。同時に聞こえてくるオッサンの呻き声。
状況についていけずポカンとしていると、「ボケッとすんな」と笑われる。おそるおそる後ろを振り向く。
――水色の瞳、白い髪、そして生意気な口調。
皮膚が剥がれてるわけでも、ツギハギがあるわけでもない。
お前、まさか！！
「燈矢だ！ メンヘラ燈矢じゃない！！」
「メンヘラ？ 何の話してんだよお前」
「燈矢ぁぁぁぁぁ！！！！」
ガバッと抱き着く。燈矢は「キメェ離れろ！」と引きはがそうとしてくるが俺は絶対何がなんだろうが離さない！
燈矢だ！ メンヘラゾンビ燈矢じゃない！ 中二病燈矢じゃない！
「ヒーローになった？ ちゃんとヒーローになったか！」
「お、おう……ヒーローになったぜ、お前のおかげでな。
てかさっきからなんだよ、頭イカレた？」
「うおおおおおお！！ キタコレキタコレ！！！
ついにやり遂げたよ天国のじいちゃんばあちゃん！！！」
「話聞けや」
肩にガッチリ腕を回し、「おめでとう燈矢ぁ！」と叫ぶ俺。燈矢は少し恥ずかしそうに頬を染めて「やめろ馬鹿！」ともがいている。
ようやく成功した！！！ どうなることかと思ったけどどうにかなった！！ っしゃあああああああ！！！
「……え、ホントどうしたお前？ 泣いてんの？ ガチ泣き？」
燈矢が心配そうに顔を覗き込んでくる。
俺は鼻水と涙まみれの顔をグシグシ腕で擦りながら何度も何度も「よかった……！」と零した。
「なんで泣いてんのか知らんけど、早くそのアホみたいな面どうにかしとけよ。この後焼肉一緒に行くんだから」
「肉は無理、寿司にしろ……！」
「意味わかんねー」
それでも燈矢は「近くに寿司屋あったっけな……」とスマホをいじり始める。
テメェが俺のこと燃やしまくるせいで食えなくなったんだよクソが！ 回らない寿司奢りやがれ！！
あー、もう！！
「おい燈矢！！」
「んだよ」
ズビ、と鼻をすすり、声を震わせながら口を開く。
不格好だけど勘弁してくれよ。
「これからもずっと、ずっとお前は、俺の親友だからな…………！ 絶対、絶対だぞ！！」
そう言って笑えば、燈矢は「ホント、今日のお前何なの……」と耳を真っ赤にしながら顔を背ける。
お前には一生わからんでいいよ！
fin.
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ガシヤマ(プロフ) - なつさん» コメントありがとうございます！ ギャグ：シリアス＝７：３を意識しました。この物語の骨組みはギャグといっても過言ではない……！ (4月15日 20時) (
レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
なつ - 夢主の馬鹿さゆえにできたことでもあって最高でした。見ていて笑う場面が少しあってとっても良かったです！！ (4月15日 18時) (レス) @page26 id: 98eb2768f8 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - 個人情報は処罰さん» コメントありがとうございます！ 荼毘君も好きだけどやっぱり幸せいっぱいの燈矢君も良きですよねぇ……！ (4月2日 1時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
個人情報は処罰 - なんてっ…幸せなEnd…！！もう感服です！！ありがとう！！！！！！ (4月2日 1時) (レス) @page26 id: 8d392127e6 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます！ まさかこんなに共感してくれる人がいるだなんて驚きです……！ 私も書いてる時「最高すぎる……これが原作であれ」って思いました（笑） (4月1日 15時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガシヤマ x他1人 | 作成日時：2024年3月14日 23時
