【今】 ページ17
「帰るぞ！ 俺も着いて行ってやるから！！」
腕を掴んで力づくで連れて行こうとしたが、荼毘基燈矢は一向に動く気配を見せない。
チキッてんじゃねーよ！ 男だろ？
しかし、燈矢は小さく笑って俺の手を握った。何がしたいのかさっぱりだが、良い気分ではない。
今の俺は人生で一番機嫌が悪いといっても過言ではない、キメェから離せクソ野郎。
「お前はやっぱり、今も昔も変わらない。
太陽みたいに輝いてる」
過去を振り返り、感傷に浸り始める燈矢。どうしたコイツ。ポエマー？
「――ごめんな」
途端、燈矢はギュッと俺を抱きしめた。
鳥肌が立つと共に、ジワジワ身体に熱さが伝わってくる。
白い煙が立ち、肉が焦げる匂いが鼻についた。激しい痛みに思わず顔を歪める。
「と、燈矢っ……！ テメェ！」
「俺の大義を成すうえで、お前という存在は懸念材料だった」
抱き着く燈矢を引きはがそうともがくも、その間にどんどん身体が燃えていく。青い炎がチラリと視界の端に映る。
大義ってなんだよ……！ 俺が懸念材料ってどういうことだよ！
ダリィんだけど、殺されんのもう三回目だぞ！ しかも今回の殺された理由とか過去一意味不なんだが！！
「はな、せ……！」
「俺は、お前のことを尊敬していた。
何があっても愚直に突き進んでいけるその
ジュッ、という音が響く。
熱された空気が肺を熱くする。もう呼吸が苦しくなってきた。
刻々と死が近づいてきているのを感じる。
ああ、もう！ 本当にお前何なんだよ！！
何回も何回も俺のこと殺しやがって！ そんなに俺のこと嫌いかよ！！ 俺も嫌いだよお前のこと！！
チクショウ！ チクショウ！！ 熱いし痛ぇし苦しいし、なんで俺がこんな目に遭わなきゃなんねえんだ！ ムカつく！！
それなのによう！！ なんで――
「……じゃあな、親友」
なんで、俺よりも苦しそうなんだよ……！
そんなに声震わせて、何が悲しいんだよ！ 何が辛いんだよ！ こっちにも移っちまうだろうが！
クソ、クソ！！ 同情誘うようなことしやがって！
「燈矢ぁっ！！」
最後の力を振り絞り、痛みも忘れて大きく息を吸う。
あー、もうヤケクソだ！ 耳の穴かっぽじってよぉく聞きやがれ！！
「あと一回で変えてやるから待ってろ！！！！」
ラスト一回のタイムリープ、しゃーねぇからお前のために使ってやるわバーカ！！！
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ガシヤマ(プロフ) - なつさん» コメントありがとうございます！ ギャグ：シリアス＝７：３を意識しました。この物語の骨組みはギャグといっても過言ではない……！ (4月15日 20時) (
レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
なつ - 夢主の馬鹿さゆえにできたことでもあって最高でした。見ていて笑う場面が少しあってとっても良かったです！！ (4月15日 18時) (レス) @page26 id: 98eb2768f8 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - 個人情報は処罰さん» コメントありがとうございます！ 荼毘君も好きだけどやっぱり幸せいっぱいの燈矢君も良きですよねぇ……！ (4月2日 1時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
個人情報は処罰 - なんてっ…幸せなEnd…！！もう感服です！！ありがとう！！！！！！ (4月2日 1時) (レス) @page26 id: 8d392127e6 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - みみさん» コメントありがとうございます！ まさかこんなに共感してくれる人がいるだなんて驚きです……！ 私も書いてる時「最高すぎる……これが原作であれ」って思いました（笑） (4月1日 15時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガシヤマ x他1人 | 作成日時：2024年3月14日 23時
