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「……私は、自分の間違いに気付けない人間なんだ」
誰かに言われるまで気付けなかった。
花瓶を割ることはダメなこと、学校の壁に絵を描くことはダメなこと、皆で飼育していた鶏を解剖することはダメなこと。
両親や先生、クラスメートから指摘されて「ああ、これは悪いことなのか」とようやっと理解する。私はそれぐらい、頭の悪い人間なのだ。
「毎度君に日頃の愚痴を吐いてはいるものの、私に一ミリも非が無かったとは思っていない。何かしら私にも改善すべき点はあったのだと思う。
正論ばかり言われるのは嫌だ、だが間違ったままにされるのも嫌だ」
目を伏せる。
後半は酷くか細い声になってしまった。私らしくもない。
けれども、それぐらい不安だった。
「いつの間にかヴィランになってました、そんな馬鹿みたいなことが私ではありえるのだ。
それがどうしようもなく、怖いんだ」
「だから」と椅子から身を乗り出し、顔を近づける。
愚痴まで聞いてもらって、これ以上求めるのは流石に我儘かもしれないが聞いてほしい。
「私が本当に道を誤りかけたその時は、ちゃんと君が止めてくれよ」
君はいつか私に愛想を尽かして去っていくのかもしれない。でも、私の前からいなくなる日まで私の愚痴を聞いてほしい、寄り添ってほしい、そして気づかせてほしい。
私の、善悪の指針になってほしい。
私は君のことが好きじゃない、嫌われたとしても何も思わない。そんな君だからこそ頼めることだ。
ヒーローなら、私を正しい道へと導いておくれよ。
「……面倒くさい女って思ったか？」
ヘニャリと力なく笑えば、ホークスは目を大きく見開いた後、勢いよく首を左右に振って「貴方のためなら何だってやります！」と叫んだ。
ふはっ、馬鹿みたい。
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ガシヤマ(プロフ) - サンドレラ2世さん» コメントありがとうございます！ 夢主ちゃんの心情表現は丁寧に細かく書くことを心がけました。読んでいただきありがとうございます。 (3月13日 20時) (
レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
サンドレラ2世 - 読んでて凄くドキドキしました。夢主の心情が鮮やかに描かれていてよかったです (3月13日 8時) (レス) @page31 id: 0ee11eb3e3 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - ひとやさん» コメントありがとうございます！ 夢主ちゃんには幸せになってもらいたいところですが……ホークスと相思相愛ってわけではないんですよねぇ。でも、私はこういうの大好きです。 (3月13日 3時) (レス) @page30 id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ひとや(プロフ) - 最後、タイトルをひっくり返したような文章で終わってあるのが本当天才かと思いました……夢主ちゃんのようなキャラも個人的に新鮮で、先の展開に加え、それに対して夢主ちゃんがどうなるのかまでとても気になりました！素敵な作品をありがとうございます！ (3月13日 3時) (レス) id: 47f18479c2 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - サンドレラ2世さん» コメントありがとうございます！ 心温かいコメントのおかげで執筆活動が捗ります、本当にありがとうございます！ 皆さんから愛される小説を書けるよう精進します。 (3月11日 22時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガシヤマ x他1人 | 作成日時：2024年3月1日 23時
