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「聞けホークス、私は今非常にイラついている」
「どうしてです？」
「ヤツがまた金賞を取った、そしてまた私は銀賞だ。
クソ、これで0勝49敗目だ！」
ダンッ、と机を叩く。置いてあった紅茶の水面に波紋ができる。
ホークスは「惜しかったですねぇ」と私の肩に手を置くが、そんな彼の手を乱暴に払う。
「……みんなが言うんだ、ヤツに負けることは仕方のない事なのだと。次元が違うんだと。
金賞は、諦めろと言うんだ……！」
下唇を噛み、拳を強く握る。
明るいジャズ音楽が全く聞こえなくなるぐらい私は盛大にイラついていた。
「何故諦める？ まだわからないじゃないか、もしかしたら勝てるかもしれないじゃないか！
それなのに、何故私の挑戦を無謀だと言うんだ？ 何故私が金賞を取る未来を見てくれない？ 何故私がヤツに負ける未来しか見てくれない？
ああ……！ イラつく！ ムカつく！！」
悔しさと怒りの混じった涙をボロボロ流す。
いつも周囲は「仕方ないよ」とか、そんな諦めの言葉ばかりをかけてくる。「君ならアイツを超えられる」なんて言ってくれない、あの天才に私が勝つだなんて誰も思っちゃいないからだ。
虫唾が走る！
「君も心の中では笑っているのだろう……？ お前程度の人間が勝てるわけがないと！」
胸倉を荒々しく掴み、「ほら、正直に言え！」と揺さぶる。
しかしホークスは穏やかな口調で「落ち着いてください、深呼吸して」と背中を優しくさする。赤い翼がゆっくりと身体を包み込む。
彼は愛おしそうに私の頬に手を添えた。
「こんなに目を腫らすまで泣いて、悔しかったんですね」
子供をあやすような落ち着いた声色。
胸板を押し返すも、背中に回った腕のせいで距離を取ろうにも逆に縮まってしまう。そして「大丈夫、大丈夫」と頭を撫でてくる。
子供扱いしやがって……なんだよ、ホントに。
「……半端な正義感で同情してくる君みたいな人間が一番嫌いだ」
「じゃあ他に何かしてほしいこととかありますか？ なんでもしますよ、貴方のためなら」
「はっ、精々自己満足に浸っていろ偽善者め」
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ガシヤマ(プロフ) - サンドレラ2世さん» コメントありがとうございます！ 夢主ちゃんの心情表現は丁寧に細かく書くことを心がけました。読んでいただきありがとうございます。 (3月13日 20時) (
レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
サンドレラ2世 - 読んでて凄くドキドキしました。夢主の心情が鮮やかに描かれていてよかったです (3月13日 8時) (レス) @page31 id: 0ee11eb3e3 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - ひとやさん» コメントありがとうございます！ 夢主ちゃんには幸せになってもらいたいところですが……ホークスと相思相愛ってわけではないんですよねぇ。でも、私はこういうの大好きです。 (3月13日 3時) (レス) @page30 id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ひとや(プロフ) - 最後、タイトルをひっくり返したような文章で終わってあるのが本当天才かと思いました……夢主ちゃんのようなキャラも個人的に新鮮で、先の展開に加え、それに対して夢主ちゃんがどうなるのかまでとても気になりました！素敵な作品をありがとうございます！ (3月13日 3時) (レス) id: 47f18479c2 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - サンドレラ2世さん» コメントありがとうございます！ 心温かいコメントのおかげで執筆活動が捗ります、本当にありがとうございます！ 皆さんから愛される小説を書けるよう精進します。 (3月11日 22時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガシヤマ x他1人 | 作成日時：2024年3月1日 23時
