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ホークスは何も言わない。手を出す気配も無い。
私を殺せないのであればさっさとこの場から立ち去れ。私を嫌いになれ。
面倒くさい女、とでも叫べばいいさ。今日は私が君の不満を聞く番だ、八つ当たりなりなんなりすればいい。
全部受け止めてやるよ、笑って流してやるよ、寄り添ってやるよ。君がいつも私にしてるみたいにな。
「……ホント、我儘なお姫様だ」
力なく笑い、ゆっくりと立ち上がるホークス。
とうとう覚悟を決めたか、と静かに見つめていると手首を掴まれる。ガシリ、と絶対に逃がさないと言わんばかりに力強く。
空気が変わる。
その目はまるで獲物を狙う鷹のようにギラついていた。
「優しくするの、やめた」
表情が消える。
目元には影が入り、いつもの優しい雰囲気はどこにもない。
口から覗く八重歯が怪しく光り、瞳のハイライトが消える。その奥にはドロドロとした闇が広がっていた。
あまりの豹変ぶりに思わず身を引くが、無理やり指を絡められる。息を呑む。
それと同時に、今までずっと感じていたこの男に対する違和感の正体がなんとなくわかった気がした。
深い息が吐かれる。
「何故、貴方は一向にこちらを振り向いてくれない……」
ワントーン低い声。
ホークスの指が私の頬をなぞる。どこか悲しそうで、苦しげで。怒っているというわけではないようだ。
ただ、少し冷静さを失っているように見える。呼吸もいつもより荒い。
私が言葉を発するよりも先にホークスが口を開く。多重人格を疑ってしまうぐらい別人みたいだ。
私はこんなホークスを知らない。
「何がダメだったんですか？ 何が貴方にとって気に食わなかったんですか？ 不満だったんですか？ 教えてください、直しますから、絶対に直しますから。貴方の好みの男性になれるよう努力しますから、だからそげなこと言わんといてください……！
俺を、俺を捨てると……？ あれだけ弄んでおいて、最後はポイですか？ 俺は貴方の元カレの代わりにはなれんと？ 俺の方が絶対に貴方のことを愛せるのに、理解できとるのに、甘やかしちゃるのに！
ああ……なんでこうも思い通りにいかんのですか、いっそのこと首輪でも付けたらいいんですか、教えてください。貴方はどうすれば俺のもんになってくれるんですか、こんなに貴方のこと好いとるのに、なんで……なんでですか！！」
……いや、怖いって。
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ガシヤマ(プロフ) - サンドレラ2世さん» コメントありがとうございます！ 夢主ちゃんの心情表現は丁寧に細かく書くことを心がけました。読んでいただきありがとうございます。 (3月13日 20時) (
レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
サンドレラ2世 - 読んでて凄くドキドキしました。夢主の心情が鮮やかに描かれていてよかったです (3月13日 8時) (レス) @page31 id: 0ee11eb3e3 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - ひとやさん» コメントありがとうございます！ 夢主ちゃんには幸せになってもらいたいところですが……ホークスと相思相愛ってわけではないんですよねぇ。でも、私はこういうの大好きです。 (3月13日 3時) (レス) @page30 id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ひとや(プロフ) - 最後、タイトルをひっくり返したような文章で終わってあるのが本当天才かと思いました……夢主ちゃんのようなキャラも個人的に新鮮で、先の展開に加え、それに対して夢主ちゃんがどうなるのかまでとても気になりました！素敵な作品をありがとうございます！ (3月13日 3時) (レス) id: 47f18479c2 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - サンドレラ2世さん» コメントありがとうございます！ 心温かいコメントのおかげで執筆活動が捗ります、本当にありがとうございます！ 皆さんから愛される小説を書けるよう精進します。 (3月11日 22時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガシヤマ x他1人 | 作成日時：2024年3月1日 23時
