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ヤドカリやらカニやらをけしかけられたり、海水をかけられたり、砂で城を作らされたりと子供みたいなことばかりやらされてクタクタになった頃、ようやくホークスが「そろそろホテルでご飯食べましょうか」と言い出し、現在はゆっくり高級料理を味わっている。
上品な味わいだ、美味しいのかは知らんがな。不味いわけではないが特別美味しいとも感じない。ジャンクフードばかり食べていたから舌が狂ってしまったようだ。
だが、ここまで用意してくれたのだからありがたくいただかなければ。ここまで相当金もかかっただろうし。
名前もわからない料理を口に運んではジュースで流し、またナイフとフォークを動かす。
ホークスは既に食べえ終わったようでニコニコ頬ば杖を付きながら私の食事シーンを眺めている。いつものことだから然程気にならないが、何が面白いのだろう。
「……君は本当に物好きな人間だな」
「急になんです？」
「私と一緒にいてそんなに幸せそうな顔をする奴は今までに見たことがなかったんだ」
ずっと邪魔者みたいな扱いだった。
お前は空気の読めない自己中心的な人間なのだと耳にタコができる程言われてきた。だからこういう風に好意の目を向けられるのは新鮮だ。けむたがられているのが普通だったから、不思議な感じだ。
「もし私が絵を描くことを辞めたら、君は私を嫌いになるのか？」
「絵を描く貴方を含め、全部が好きなんです。そんなことで嫌いになったりしませんよ。
不安でしたか？」
「いいや、特に」
君に嫌われようが私は痛くも痒くも無い。
それを伝えるとホークスは「酷いですねぇ」とケラケラ笑う。相変わらずコイツのツボは謎だな。
エビの腹をナイフの先で意味も無く割く。
見えない。
この男と出会ってからそれなりに日が経った。しかし未だに見えない、この男の腹の中が。
何を考え、何を思って私の隣にいるのか。
純粋な好意の裏に何かがあるのはわかる。それが私にとって良いものなのか悪いものなのかはわからない。しかし、酷く不気味で奇妙だ。まるでムカデや蛇がとぐろを巻いて渦巻いているかのような言い知れぬ気持ち悪さがある。
「ホークス」
名前を呼んでみた。
そしたら赤い翼が僅かに上に上がり、「どうしました」と目を輝かせる。本当に犬みたいだ。
「なんでもない、名前を呼んだだけだ」
「……からかわないでくださいよ」
「ヤドカリの仕返しだ」
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ガシヤマ(プロフ) - サンドレラ2世さん» コメントありがとうございます！ 夢主ちゃんの心情表現は丁寧に細かく書くことを心がけました。読んでいただきありがとうございます。 (3月13日 20時) (
レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
サンドレラ2世 - 読んでて凄くドキドキしました。夢主の心情が鮮やかに描かれていてよかったです (3月13日 8時) (レス) @page31 id: 0ee11eb3e3 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - ひとやさん» コメントありがとうございます！ 夢主ちゃんには幸せになってもらいたいところですが……ホークスと相思相愛ってわけではないんですよねぇ。でも、私はこういうの大好きです。 (3月13日 3時) (レス) @page30 id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ひとや(プロフ) - 最後、タイトルをひっくり返したような文章で終わってあるのが本当天才かと思いました……夢主ちゃんのようなキャラも個人的に新鮮で、先の展開に加え、それに対して夢主ちゃんがどうなるのかまでとても気になりました！素敵な作品をありがとうございます！ (3月13日 3時) (レス) id: 47f18479c2 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - サンドレラ2世さん» コメントありがとうございます！ 心温かいコメントのおかげで執筆活動が捗ります、本当にありがとうございます！ 皆さんから愛される小説を書けるよう精進します。 (3月11日 22時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガシヤマ x他1人 | 作成日時：2024年3月1日 23時
