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「水着は着ないんですか？」
「はなから泳ぐつもりは無い、見る専なんでな。
期待を裏切ってしまって申し訳ありませんね、ははっ」
何か着想を得るため、ホークスの仕事に同行して海に来た。
だが、ぶっちゃけ暑いだけである。あと地面が砂だから歩きにくい。早く帰りたい。
「……それにしても、休日だというのに人一人いないな」
「ああ、貸し切りにしましたから。人混み苦手って言ってたんで」
なんでも無いように平然と言ってのけるホークス。
私のために海を貸し切りにした？ 頭イカレてるのかコイツ。確かに人混みは苦手だがそこまでしなくていい。
本当に私のためなら何でもしてくれそうだ。従順すぎて逆に怖くなるよ。
引き気味の目を向けていたら「それに二人きりにもなれますし？」と言われて背中が冷えた。夏なのに寒くなっただろうが。気味が悪い……いや、気味が悪いのはいつものことか。
今更だが、この男は一体全体私のどこを好きになったのだろうか。私の絵のどこに魅力を感じるのだろうか。
この男の趣味趣向が全くわからない。そのスペックなら女なんて選び放題だろうに、よりにもよって何故私なんだ。
こんな皮肉や文句ばかり垂れている女と海に行って何が楽しいのか。
「気になったことができた」
「なんです？」
「君は私の何が好きなんだ」
とりあえず普通に気になったから聞いてみた。
するとホークスはゆるりと口角を緩めた。心底愛おしそうな物を見るような目をしながら、私の頬に手を添える。
いきなりのことで思わず後ずさる。
海風がサアッと私たちの間を吹き通った。
「ひたむきに一番を目指し続けてる頑張り屋さんなところが、好きです」
……なんだよ、そのマジな感じは。いや、マジなんだった。というか勝手に触るな、不愉快だ。
頬に添えられた手を払いのけ、「最近スキンシップが目に余るぞ」と睨むも、「好きな人に振り向いてもらうには効果的かなぁって」とニヘラと笑った。
馬鹿馬鹿しい。私にそれが通用すると思うな、そこまで単純な女じゃない。
「恋愛ごっこをするつもりは無い、いい加減諦め――」
「あ、見てくださいよ！ ヤドカリいましたヤドカリ！」
「話を聞け……！ って近づけるな近づけるなキモい！！」
ヤドカリけしかけるな！ 嫌いになるぞ！！
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ガシヤマ(プロフ) - サンドレラ2世さん» コメントありがとうございます！ 夢主ちゃんの心情表現は丁寧に細かく書くことを心がけました。読んでいただきありがとうございます。 (3月13日 20時) (
レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
サンドレラ2世 - 読んでて凄くドキドキしました。夢主の心情が鮮やかに描かれていてよかったです (3月13日 8時) (レス) @page31 id: 0ee11eb3e3 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - ひとやさん» コメントありがとうございます！ 夢主ちゃんには幸せになってもらいたいところですが……ホークスと相思相愛ってわけではないんですよねぇ。でも、私はこういうの大好きです。 (3月13日 3時) (レス) @page30 id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
ひとや(プロフ) - 最後、タイトルをひっくり返したような文章で終わってあるのが本当天才かと思いました……夢主ちゃんのようなキャラも個人的に新鮮で、先の展開に加え、それに対して夢主ちゃんがどうなるのかまでとても気になりました！素敵な作品をありがとうございます！ (3月13日 3時) (レス) id: 47f18479c2 (このIDを非表示/違反報告)
ガシヤマ(プロフ) - サンドレラ2世さん» コメントありがとうございます！ 心温かいコメントのおかげで執筆活動が捗ります、本当にありがとうございます！ 皆さんから愛される小説を書けるよう精進します。 (3月11日 22時) (レス) id: d005014dc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ガシヤマ x他1人 | 作成日時：2024年3月1日 23時
