考えがある ページ9
・
久しくまともな会話をしていなかったエマが話しかけてきて、何かと思えば「鬼ごっこに参加して欲しいの。」ときた。
多少の呆れを含めてため息くらい、ついたってバチは当たらないというものだろうと息を吐く。
そして、息を吸う。
「いいよ。」
え、と誘ったエマが驚いた顔をする。
そんな顔をされると参加したくなくなる、という本音は言葉にせず理由を話すことにした。
「最近、ずっと自由時間の度にいなくなってたし。この鬼ごっこに、何か関係でもあるんじゃないの?」
違うなら違うでいいけどさ、とは言ったもののあの表情では当たりだろうと思う。
いいの、とまだ確認してくるエマに「何、やらない方がいいの?」と言って慌てる様子を見て、ここ最近のエマへの鬱屈した感情がすっと小さくなるのを感じた。
「良かったぁって、そう思っただけ。ノーマンもレイも、Aは参加しないだろうって言ってたから。」
そう言ったエマに、それは……と口ごもる。
2人は良く、とても良く見ている。それを再確認させられた。
「いいじゃん参加したんだし。行こ、エマ。」
木に登るのも好きだが、駆け回るのだって悪くはない。
ハウスの子供たち全員の、本気の鬼ごっこ。私の心を踊らせるに足るものが、確かにあった。
いやレベル高くね、と泣き言が口を突いて出た。
「痕跡って……癖を読むって何なの、あとエマぱんつ見えてたよ……。」
次からはちゃんとレギンス履きなね、とアドバイスをして木に寄りかかりノーマンからの適切なアドバイスに耳を傾けていると、誰かが近付いてくる足音がした。
足音と足音の間が大きく間隔が広い。子供のものでは、ない。
・
18人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ツイステ怖い - 作者さん、あなた様ならできます。続きをどうかお願いします。表現の豊かさに脱帽です。もっと読みたいです。どうかお願いします。(骨折相当痛かったんですね) (2020年6月2日 21時) (レス) id: 1cb56e4b11 (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - なぁさん» ありがとうございます!頑張って続編書きますので、そちらもよろしくお願いします! (2020年3月21日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください。続編楽しみにしてます (2020年3月21日 1時) (レス) id: 9381ef374c (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - 夏終朝凪さん» ありがとうございます!続編も楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2020年3月14日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 面白いです!続編も楽しみにしてますね!m(_ _)m (2020年3月14日 8時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白子黒子 | 作成日時:2019年3月2日 15時