頼んだぞ ページ8
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口を固く閉ざしたまま、最年少９人の入浴のためのタオルを運ぶ。
それは些細な事ながら、以前のエマならあり得なかった事で、床に視線を落とした。
部屋に入り、エマが真っ先に向かったのは入ってきたばかりの末妹のキャロル。
以前のエマでもあり得る光景だが、浮かべる表情がそれとは確実に違う事に気付いた。
エマの一挙一動に注目する。キャロルの体を、注視している。そう感じた。
最年少の家族を可愛がっている余裕すらない様子のエマは、見ているこちらが眉をひそめてしまうほど切羽詰まっている。
キャロルを抱いたまま考え込むエマに、ついにギルダが口を開いた。
「エマ、あやすの上手いよね……。すごいなぁ…もうキャロルなついてる……。」
その羨望は疑いようもなくどこまでも本心で、私の心を抉った。
苦しくなるほど。
「エマ……私ね……エマに聞きたい事があるの。あの日……あの夜っ。」
エマがいきなりキャロルを寝かせる。
驚いた様子でエマの名前を呼ぶギルダを見て、私はもうこの場でエマから話を聞く事はできないと思った。もう私たちのことは、エマの頭から消え去っているようだったから。
そんな私の思考は知らないで、キャロルの左耳の裏、赤い腫れをじっと見つめるエマ。
「何、それ？ 虫刺され？」
「……これは……病気の検査のために採血した後だって、昔……ママが……。」
それがただの雑談ではない事は、エマの顔を見れば簡単にわかった。
エマと同じように、自分の左耳に手を添えてみる。指先に、僅かに固い感覚。
ふと、ママの癖を思い出す。髪を耳にかける癖、決まって左側を。
そして、シスター・クローネが来た時に３人が浮かべていた表情を。
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ツイステ怖い - 作者さん、あなた様ならできます。続きをどうかお願いします。表現の豊かさに脱帽です。もっと読みたいです。どうかお願いします。（骨折相当痛かったんですね） (2020年6月2日 21時) (
レス) id: 1cb56e4b11 (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - なぁさん» ありがとうございます！頑張って続編書きますので、そちらもよろしくお願いします！ (2020年3月21日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - とても面白いです！これからも頑張ってください。続編楽しみにしてます (2020年3月21日 1時) (レス) id: 9381ef374c (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - 夏終朝凪さん» ありがとうございます！続編も楽しんでいただけるよう頑張りますね！ (2020年3月14日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 面白いです！続編も楽しみにしてますね！m(_ _)m (2020年3月14日 8時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白子黒子 | 作成日時：2019年3月2日 15時
