決行�� ページ48
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腕力のあるドンが、紐にくくりつけた石の遠心力も使って木まで届ける。と同時に、対岸に渡るトップバッターという最も危険な橋を渡らせることになってしまったが、ドンは笑顔で引き受けてくれた。「実際に橋を渡るよりも危険じゃねぇなら、それでいい！」と言って。
トーマとラニオンには、ペットボトルロケットで紐を対岸に飛ばしてもらう役割。作り方の図解は私が担当したが、微調整は一任してあるので、上手くいって思わず拍手をした。
脱出方法を説明して、みんなに練習させていた。各々の努力は身を結び、恐怖に身がすくんだジェミマもレイと一緒に、着々と対岸へ渡っていく。
私とエマは最後尾なので、みんなを励ましてたり「手汗ちゃんと拭いときなね〜！」なんて言って緊張をほぐしながら順番を待っている。その最中、エマに話しかけられた。
「A。私、直接支配になってからようやくわかったんだ。」
「ん？ ああ、レイに
そういえば、考えてごらん、なんて言ってたっけと思い出す。理由を知らなくても接する分には問題ないと判断したから、考えさせておいたんだったのを忘れていた。
「そう。ママの注意が、Aに全く向かなかった。ママを侮らせるための演技だったんだね、あれ。」
「大正解。流石はエマ、私の認めた天才であり、この私の妹。」
わざと自信過剰なふうに言った私に、エマはくすくすとおかしそうに笑った。その姿に安心すると同時に、この脱出を乗り越えた先の逃走も必ず無事に成功させることを改めて決意した。
もうすぐ順番が回って来る。おもむろにリュックから1枚の紙と、薄汚れた人形を取り出した。
私の母イザベラへ、と書かれたそれを地面に置いて、夜風に飛ばされないよう人形を上に乗せる。
11年と少しの間、この人形とずっと一緒だった。真実を知ってしまった日でも、その後も。泣きそうな時にぎゅっと抱き締めてきた、ママの手作りの人形だ。
さようなら、我が家。最後に一言そう呟いて、私は地面を蹴り、対岸へと渡った。
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ツイステ怖い - 作者さん、あなた様ならできます。続きをどうかお願いします。表現の豊かさに脱帽です。もっと読みたいです。どうかお願いします。（骨折相当痛かったんですね） (2020年6月2日 21時) (
レス) id: 1cb56e4b11 (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - なぁさん» ありがとうございます！頑張って続編書きますので、そちらもよろしくお願いします！ (2020年3月21日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - とても面白いです！これからも頑張ってください。続編楽しみにしてます (2020年3月21日 1時) (レス) id: 9381ef374c (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - 夏終朝凪さん» ありがとうございます！続編も楽しんでいただけるよう頑張りますね！ (2020年3月14日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 面白いです！続編も楽しみにしてますね！m(_ _)m (2020年3月14日 8時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白子黒子 | 作成日時：2019年3月2日 15時
