潜伏前夜 ページ37
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静かな廊下に松葉杖をつく音はよく響いたけれど、私は別にそれをどうとも───例えば、この密会がママにばれるかもしれない、だとか───思うことはない。
ママはこの、ノーマンに考えを改めさせようとするだけの会合を、そして失敗することが決まっている会談を、どうこうするつもりはないであろうことへの確信があった。有り体に言えば、馬鹿にしていた。
私はそうすることを恥だとは思っていない、重要なのは油断しないこと・舐めてかからないこと・消して表に出さないこと。
後ろから刺されない限り私は、心の中でなら馬鹿にしても唾を吐いても舌を出しても殴っても蹴っても殺しても、許される。そういう権利がある。
それで、とノーマンは開口一番に言った。
「何の用？」
雑談もなしに本題へ入るのはまあ、時間もないから妥当だなと思う一方でどこか寂しくもある。そう感じながらも、ノーマンは時間があろうと私と雑談に興じはしなかっただろうと考えてもいた。
つまり複雑な心境なのよね、と明るい冗談を口にせず賢明に飲みこんでから口を開く。
「逃げないでしょ。」
「当たり前。やっぱり、Aは騙されてくれないね。」
やっぱりノーマンは特に驚いてもくれないね、と言う人間味は消して、軽い笑みを浮かべるに留めた。人として。
「それこそ当たり前。さて、では、逃げないってことでいいのね？」
「うん。間違いも、気の迷いもないよ。」
「なら１つ、伝えなきゃいけないことがあるんですが。」
「はい、何でしょう。」
「……あんまし言いたくないなぁ。」
「それは、なぜ？」
「ノーマンには、逃げてほしいなって。」
ノーマンはにこりと笑う。「無理。」
「だろうね、言うけど。言うよ。言わなきゃいけないんだけどね。」
はぁ、と大きなため息を１つ吐く。そして吸う息は、何の罪もない少年をみすみす死なせるかもしれない危険な助言を告げる為のものだから、空気がいつもよりも埃っぽい。結局どうせお決まりの、
「農園
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ツイステ怖い - 作者さん、あなた様ならできます。続きをどうかお願いします。表現の豊かさに脱帽です。もっと読みたいです。どうかお願いします。（骨折相当痛かったんですね） (2020年6月2日 21時) (
レス) id: 1cb56e4b11 (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - なぁさん» ありがとうございます！頑張って続編書きますので、そちらもよろしくお願いします！ (2020年3月21日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - とても面白いです！これからも頑張ってください。続編楽しみにしてます (2020年3月21日 1時) (レス) id: 9381ef374c (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - 夏終朝凪さん» ありがとうございます！続編も楽しんでいただけるよう頑張りますね！ (2020年3月14日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 面白いです！続編も楽しみにしてますね！m(_ _)m (2020年3月14日 8時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白子黒子 | 作成日時：2019年3月2日 15時
