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タオルが宙を舞った。私の顔に飛びかかろうとするそれを手で受け止めて、さんきゅ、と簡単な感謝を述べる。
こういう細やかな気遣いは嬉しいもんだなぁと素直に微笑みながら、骨折した足で歩いた痩せ我慢に吹き出た汗を拭った。
「レイはさ。」
エマもいるし何をどうやって言おうかな、とそう呼びかけてから考える。私の脳裏にはひっきりなしに、必死に取り繕ったノーマンの表情が傷ましく演出された上で浮かんでいたけれど、過激なことが口をついて飛び出せばエマを心配させてしまうであろうことを気にしていた。
「誰かがここで死んでいいなんて、どうせ思ってないでしょ?」
思えやしないんでしょう、と言外に。それを察したレイは苦い顔をして頷いた。当たり前の何でもないことだから、そんな顔しなくていいのにと思う。
それ以外の全てを切り捨ててきたのに、他の家族も自分の感情も切り捨ててきたのに、大切に抱えてきたノーマンさえも奪られそうになって、捨てられやしないのは当然だから。同じような私には、それがよくわかる。どれだけ勝率か下がろうとも割り切れないその心境が、痛いほどに。
「うん。そうだよね。やらなきゃね。」
可哀想だわ、と思った。ノーマン、恐怖はする癖にどうせ(いと)っちゃくれない。あいつこれから人殺しになるかもしれないわね。させない、させないけど、もうここまでくれば実質変わらないでしょ。

「大丈夫、みんなで一緒にここから逃げよう。一緒に生きよう? ノーマン。」
「うん……。」
嘘つき、と唇を動かした。ノーマンの顔の中に死を視界に入れた人の瞳が揺れていて、私はそれを真正面から見つめた。
お天道様は沈んだけれど、私は、あなたを。


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設定タグ:約束のネバーランド , 約ネバ , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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ツイステ怖い - 作者さん、あなた様ならできます。続きをどうかお願いします。表現の豊かさに脱帽です。もっと読みたいです。どうかお願いします。(骨折相当痛かったんですね) (2020年6月2日 21時) (レス) id: 1cb56e4b11 (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - なぁさん» ありがとうございます!頑張って続編書きますので、そちらもよろしくお願いします! (2020年3月21日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください。続編楽しみにしてます (2020年3月21日 1時) (レス) id: 9381ef374c (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - 夏終朝凪さん» ありがとうございます!続編も楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2020年3月14日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 面白いです!続編も楽しみにしてますね!m(_ _)m (2020年3月14日 8時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白子黒子 | 作成日時:2019年3月2日 15時

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