アウト ページ27
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一度決めるともう迷わないエマは、ドンとギルダの元へ廊下を駆けた。遅れてノーマン、次いでレイと私。
ドンとギルダの目の前で立ち止まったエマにノーマンも立ち止まって、その背にぶつかりそうになりながら私も止まる。
「私、解ってなかった。信じるって覚悟が足りてなかった。信じてくれて……気付かせてくれてありがとう。」
「僕からも、ごめん。」
ノーマン上手いな、と暗闇をいいことに少しニヤリとした。
このタイミングで殴りそうになったノーマンに謝られれば、ドンは例えエマを許していなかったとしても罪悪感からそう言えなくなる。
まあドンはそもそも怒っていないから、罪悪感を煽っているだけだけど。
「俺も、つい殴ろうとしてごめん。A、止めてくれてありがとう。」
ドンの心根が真っ直ぐで、それが私の罪悪感を煽る。罪悪感の煽り合いなんて、なんて醜くてわかりにくい。
「いや、それにしたって酷い言い方したよね、ごめん。」
「違う、言う通りだったんだ。俺がガキだった。勝手な行動取ったんだから、レイが怒るのも当然だ。」
だから私が仕組んだって言ってるじゃない、と心の中でだけ叫んだ。言うわけにはいかない言葉と事実。
「私もその、本当に……。」
ギルダの浮かべる申し訳なさそうな顔に、そんな顔しないでよ、とさせておいて思ってしまう。
身勝手で馬鹿で、家族でいる価値もない私。
ほらレイ、とノーマンが言った。
「あー、もーいいよ！ 万一の場合は俺が全部何とかするから。」
叶えるのにどれだけの労力と犠牲とリスクが伴うのか、考えてしまって身震いする。
仕組んだ私は何もしないでいて。
「俺も……色々悪かった……ごめん。」
違う、というそのたった一言を口に出してはいけない。
人知れずでしか罪を抱えてはならない。人が知る罪は、本人を含め愛する家族に冤罪をかけていなければいけない。
全ては、よりリスクのない逃亡のために。
ねえこんな人生捨ててしまいなさいよ、と耳元で誰かか言った。多分、私が。
「もう嘘はナシだから……改めて聞かせて。しくじれば死ぬ、「外」の世界は最悪鬼の世界。それでも一緒に逃げてくれる？」
迷いも曇りもない瞳で、ドンとギルダは声を揃えた。当たり前、と。
こんな素晴らしい人達と家族になれた人生を、捨てるなんてもっての外だと思った。
だから余計に罪悪感で胸が痛むのに。
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ツイステ怖い - 作者さん、あなた様ならできます。続きをどうかお願いします。表現の豊かさに脱帽です。もっと読みたいです。どうかお願いします。（骨折相当痛かったんですね） (2020年6月2日 21時) (
レス) id: 1cb56e4b11 (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - なぁさん» ありがとうございます！頑張って続編書きますので、そちらもよろしくお願いします！ (2020年3月21日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - とても面白いです！これからも頑張ってください。続編楽しみにしてます (2020年3月21日 1時) (レス) id: 9381ef374c (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - 夏終朝凪さん» ありがとうございます！続編も楽しんでいただけるよう頑張りますね！ (2020年3月14日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 面白いです！続編も楽しみにしてますね！m(_ _)m (2020年3月14日 8時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白子黒子 | 作成日時：2019年3月2日 15時
