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「じゃあお次は、レイの
「それはいいけど。自分語り、って……なんか他に言い方なかったのかよ。」
「そーーーじゃん! 私、まだレイがスパイだったって話、なんも聞いてないんだった!」
みんな話す内容濃すぎ……と頭を抱えているエマと、とりあえず微笑んでいます感満載で目が笑っていない考え事中のノーマンと、側から見ても面倒そうに説明するレイと、ただ黙りこくるだけの私。
イザベラはプライドの高い女だ。だからこんなおぞましい仕事を続けられる。そして、そのイザベラが自分で「12歳まで残す」と判断した子供たち。それがこの4人。そのためならイザベラは───多少冷静な判断ができなくなっても、仕方がない。
もしやるなら、私しかいない。目前の3人を見つめながら、もう一度この胸に誓った。
「つまり内通者って言っても敵じゃなくて、私達のためにずっとママの手下をやってたってこと?」
「本当は、門から帰って来たお前らにすぐ打ち明けるつもりだったんだけど……「リトルバーニー置いて来る」とか「全員で逃げる」とか色々予定外が重なって。」
咄嗟に耳を疑った。
「りとっ、え!? 冗談でしょ……?」
ノーマンとエマが心苦しそうな表情をしている。2人が真実を知った夜の私は、レイに促されてそそくさと布団に入っていたことを思い出した。
「Aもそう思うよな?」
「うん、流石に不用心が過ぎるのでは……?」
すみませんでした、と2人揃って下げた頭に報復のデコピンを見舞ってやった。そしてそれ以外のことをしなかった。なじっても事実が覆ることがないのを、私は知っていたから。
「ママに気づかれ制御しなくちゃならなくなったし、お前らも無茶して暴走しそう……じゃあここは黙ってどっちも制御しとこう───的な?」
的な、とはレイらしくもない言葉だった。
でもそれについて聞いても言わないだろうと察しがつくから、特に何も言わないだけ。
「つまり私達のミスをカバーしてくれてたと。そして「全員」には裏から止めに走るほど反対してたんだね。」
「でも安心しろ、今は違う。バレちまったし改めて説得もされた。今度こそ「全員で逃げる」に協力するよ。」
どうだか、と言わない。レイに全員で逃げる気がないのは、レイ本人とノーマンの表情から簡単にわかる。エマの「らしくないね。」という妙に鋭い言葉が、エマらしかった。
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ツイステ怖い - 作者さん、あなた様ならできます。続きをどうかお願いします。表現の豊かさに脱帽です。もっと読みたいです。どうかお願いします。(骨折相当痛かったんですね) (2020年6月2日 21時) (レス) id: 1cb56e4b11 (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - なぁさん» ありがとうございます!頑張って続編書きますので、そちらもよろしくお願いします! (2020年3月21日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください。続編楽しみにしてます (2020年3月21日 1時) (レス) id: 9381ef374c (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - 夏終朝凪さん» ありがとうございます!続編も楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2020年3月14日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 面白いです!続編も楽しみにしてますね!m(_ _)m (2020年3月14日 8時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白子黒子 | 作成日時:2019年3月2日 15時