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声を意識的に高く。洗濯物を乾かすような、からりとした声を作る。空気を変えるのは、存外これしきで充分だ。
「私は今日、今、ここで真実を知ったことになる(・・)から、みんなその設定(つもり)で動いてね。」
あぁ、とかわかった、とかお利口さんなお返事のノーマンとレイ。一を聞いて十を知るタイプはこれだから、と思いながらエマの素直な「なんで今日の今?」という疑問に笑顔を浮かべた。
「そもそもの話、私はどうしてスパイ疑惑をかけられたくなかったのか。どうしてレイが真実を知っていると気付いていながら、レイに話を持ちかけなかったのか。私はママに何の反応を見られるのを恐れたのか。エマ、考えてごらん。」
「……ぅ〜っ?」
やっぱりエマと話してるのがいちばん楽しい、他2人ときたらしたり顔で顔を見合わせては笑って、同い年なはずなのにエマのような真っ直ぐさは欠片も感じられないから。
「ハイ答えをどうぞっ! エマ、考える力、だよっ!」
「ねぇAぜったい私のことおちょくってるでしょ!?」
きゃぴるんっ☆とウィンクをしたら流石に怒られてしまった。こんな場面(シーン)でからかう私が悪いんだけれども。
「じゃあヒント。実は私ね、フルスコアを取()なかったの。」
2、3度瞬きをしたエマが、自分でも自分のことを信じていないような顔で「……わざと、ってこと?」と言うのが妙に面白おかしい。そうだよ、と首を傾けて下からエマの顔を覗き込んだ。そこに浮かぶ、不信の表情に向けて笑いかける。
「わかんない?」
私が今、何を考えているかもわからなそうなエマがわかっていないのは一目瞭然だったにもかかわらず、私は聞いた。案の定「全っ然わかんない……。」とどこか不気味そうに答えたエマに向かって、言う。
「じゃあ、教えてあげない。」
何を言っているのかわからない、というふうに一瞬惚けてから、「えぇー!?」と大声で叫ぶ。エマのこういう、反応がいちいち大きいところが可愛いなぁと思った。
「知りたかったら、ノーマンかレイにでも聞いてね。」
「Aは教えてくれないの!? なんで!?」
少し悩むそぶりをした。こっちならまぁ、答えてもいっかと独り言の体で呟く。それも小さな意味を持っているからそうするのだ。
「だって、これくらい読めないと。相手はママなんだよ?」
私の考えくらい、見抜いてみせて。そう言って笑った。


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設定タグ:約束のネバーランド , 約ネバ , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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ツイステ怖い - 作者さん、あなた様ならできます。続きをどうかお願いします。表現の豊かさに脱帽です。もっと読みたいです。どうかお願いします。(骨折相当痛かったんですね) (2020年6月2日 21時) (レス) id: 1cb56e4b11 (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - なぁさん» ありがとうございます!頑張って続編書きますので、そちらもよろしくお願いします! (2020年3月21日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - とても面白いです!これからも頑張ってください。続編楽しみにしてます (2020年3月21日 1時) (レス) id: 9381ef374c (このIDを非表示/違反報告)
白子黒子(プロフ) - 夏終朝凪さん» ありがとうございます!続編も楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2020年3月14日 15時) (レス) id: 5bfad2b21a (このIDを非表示/違反報告)
夏終朝凪(プロフ) - 面白いです!続編も楽しみにしてますね!m(_ _)m (2020年3月14日 8時) (レス) id: 8142368f1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白子黒子 | 作成日時:2019年3月2日 15時

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