coffee time 【YG】 (ページ26)

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『これ、なんのカクテルですか？』

「なんだと思います？」

『えー、分かんない。』

「紅茶ですよ。」

『紅茶？』

…紅茶のカクテルなんてあるんだ…。

感心してグラスを見つめていると、カウンターに肘をついて首をかしげるユンギさんが私を見つめる。

「…飲んでくれないんですか？」

『っいただきます！』

待て待て待て。

ユンギさんあざとくないか。

ご自分のカクテルを持って、首を傾げたユンギさん。

吸い込まれそうな目してた…。

今一瞬ユンギさんの周りにキラキラが見えたぞ。

お顔が良いから、惚れてしまいそうだ。

慌ててカクテルを飲み込むと、すっきりとした味が広がる。

「…どうですか？」

『おいしいです！甘いけどすごく飲みやすいです。』

素直な感想を伝えると、良かった、と笑うユンギさん。

待って、本当に惚れてしまいそう。

「少しは落ち着きましたか？」

『え？』

「酔いたがっていたのは収まりましたか？」

ああ、そうだった。

酔って忘れるために来たことを忘れていた。

頭から消え去っていたヒョンソンがまた顔を出す。

『…いえ、まだ…。さっきより落ち着きましたが、忘れたいことがあるのは変わりません。』

隣でグラスを置いた音がする。

「よければ、お話を聞かせてもらえませんか？」