coffee time 【YG】 (ページ25)

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「酔って忘れたい気持ちは、よく分かります。」

そうでしょ？
よく分かるでしょ？
だったら早く。

そう思って口を開くも、ユンギさんに制せられる。

「でも、だからこそ、今のAさんにはお勧めできません。」

『なんで。』

「既に飲んできたでしょう？」

そう、飲んだ。
ちょっと強めのビール缶を一つだけ。

家にいたら、ネガティブなことばっかり考えそうだったから。

ここに来て忘れたかった。

車に乗らず、ちゃんと歩いてきたのに。

なんでバレちゃうのよ。

「それに、今のAさんでは自暴自棄になって二日酔いになるのが目に見えてます。」

『そんなの…。』

分からないじゃない。
まだ先のことなんだから。

図星だったとはいえ、流石に出会って数回目の人に文句を言えず、不満を心の中でつらつら言う。

そうするとユンギさんは、私の不機嫌そうな顔を見て苦笑いし、クルクルと棒を回してカクテルを作り始めた。

『もぉやだ…』

最初に頼んだサラダを食べ終えてしまい、すっかり不貞腐れてカウンターに突っ伏していると、コトンと目の前に置かれたグラス。

「どうぞ。」

『頼んでませんけど…。』

いつの間にか空席だった私の隣に座るユンギさん。

「ノンアルコールですよ。」

『酔いたいのに…。』